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取引先も相性

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第二章

「何でだろうな」
「明日課長に聞いてみるか」
「そうだな、時間がある時にな」
「どっちも取引成功したけれどな」
「それでもな」 
 こう話してそうしてだった。
 二人は翌日実際に会社で真田に聞いた、すると。
「相性だよ」
「相性ですか」
「それで俺達をそれぞれ行かせたんですか」
「そうだよ、梨田君は人に合わせるタイプだから」
 まずは彼のことを話した。
「井本工業の社長さんに会うと思ってね」
「あの人押すタイプなので」
「それでだよ」
「俺ですか」
「そう、相手を庇ったりもするね」 
 梨田はというのだ。
「そうしたタイプあの社長さん好きだし」
「だからですか」
「君だよ、そして鈴木工業は」
 こちらはというと。
「井本工業の社長さんよりも遥かに気が強くて」
「それで俺ですか」
「君はもうはっきりと相手に言うね」
「どんな人でも」
「あの社長さんそうした人にこそ乗るから」
 だからだというのだ。
「君を行かせたんだ」
「そうですか」
「それぞれの相性を見て」
 そうしてというのだ。
「行かせたんだ」
「俺達それぞれを」
「そうだったんですね」
「そうだよ、取引も相性を見て」
 そうしてというのだ。
「やっていくものだよ」
「そうですか」
「誰でもじゃなくて」
「うん、それでこれからも」
 真田は自分の席に立っている二人に話した。
「それぞれの会社のことはね」
「これからもですね」
「俺達はそれぞれ担当しますね」
「それで頼むよ」
 こう言ってだった。
 真田は梨田と有田をそれぞれの取引先に行かせた、それからも二人はそれぞれの取引先と上手くやっていけた。そして会社の業績にも自分達の功績にも貢献したのだった。


取引先も相性   完


                  2025・1・18 
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