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星河の覇皇

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第八十七部第五章 外の世界の動きを無視しその六十八

「それでだ」
「大統領もですね」
「そう考えている、かつてのアメリカ合衆国の様な」
「地球にあった頃の」
「あれ位のだ」
「中央政府であるべきですね」
「今の連合はよくて徳川幕府だ」
 それ位だというのだ。
「そして悪くてな」
「神聖ローマ帝国ですね」
「流石に戦国時代の中国程ではないが」
「あの時の中国は統一されていませんでした」
 八条も言った。
「一応は盟主が存在していましたが」
「周王室がな」
「周の時代から」
「西周時代だな」
「しかしその力が弱まり」
 これは異民族に攻められ都を東に移してからのことだ。
「そして」
「諸侯を抑えられなくなった」
「それで各国が争う様になりました」
「そうだったな」
「そして」
 八条はさらに言った。
「春秋時代からです」
「中国は各国が争う様になった」
「それが長い間続きました」
「盟主はいてもな」
 連合で言う中央政府である。
「だが名ばかりでだ」
「はい、分裂していました」
「事実上な」
「連合は衝突はありますが」
 各国政府間でもだ、それも頻繁である。
「しかし武力のそれはです」
「ないからな」
「建国以来起こっていません」
 一度もというのだ。
「ですから流石にです」
「戦国時代の中国よりはな」
「まとまりがあります」
「そうだな」
「ですが」
 それでもとだ、八条は言葉を続けた。
「やはりです」
「まとまりに欠けることは事実だ」
「徳川幕府の様に」
「各国が強い」
「幸い幕府の様に中央政府が持つべき権限は全て持っています」 
「貨幣鋳造権、外交権にな」
「各国政府も外交は出来ますが」
 しかしというのだ。
「国家としてのそれは中央政府が持っています」
「大使館と言っても連合の外ではな」
「情報収集の場に過ぎません」
「大国でもな」
「そして軍の最高指揮権もです」
 連合の軍全体のというのだ。 
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