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ドリトル先生の長崎での出会い

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第四幕その十

「来てよかったよ」
「知らないといけないことだね」
 しみじみとです、トートーは言いました。
「原爆のことは」
「どれだけ恐ろしい兵器か」
 ジップは俯いて言いました。
「絶対に知らないといけないね」
「戦争でも使われてはいけない」
 チーチーも言います。
「そうしたものだね」
「若しまた使われたら」
 どうなるか、ガブガブは考えただけで身震いしました。
「取り返しがつかないことになるね」
「間違いないね」
「地球が破壊されるわ」
 チープサイドの家族も確信しています。
「また使われたら」
「欧州なんてことになったらね」
「だから使っては駄目だよ」
 ホワイティは強い声で言いました。
「何があってもね」
「これまで二度と使われなくてよかったわ」
 ポリネシアは心から思いました。
「ならこれからもよ」
「いや、こんな恐ろしいものはないよ」
「化学兵器や細菌兵器も恐ろしいけれど」
 オシツオサレツも二つの頭で言います。
「核兵器は特にだよ」
「そう言うしかないよ」
「人間には理性と理知があるからね」
 ダブダブはそれでと言いました。
「それで以て使ってはいけないと自制するのよ」
「さもないと大変なことになるよ」
 老馬も言いました。
「使うとね」
「いや、全くだね」
「何があってもね」
「核兵器は二度と使わない」
「如何なる理由があっても」
「そうしないといけないよ」
「そう、本当にね」
 まさにと言う先生でした。
「守らないといけないから」
「そうだよね」
「何があってもね」
「それは守らないといけないよ」
「絶対に」
「そう、使われると駄目だよ」
 まさにというのです。
「二度とね」
「今日は特に思ったね」
「平和資料館に行って」
「あんなことになるならね」
「絶対に使ったらいけないよ」
「何があろうとも」
「核兵器は今は抑止力になっているよ」
 先生は冷静に言いました。
「お互いに持っていてね」
「危険だからね」
「そのことがわかっているから」
「だからだよ」
「使ってはいけないよ」
「何があろうともね」
「そう、本当にね」
 実際にというのです。 
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