ドリトル先生の長崎での出会い
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第四幕その八
「当時塾の月賦としては干し肉は一番安いものでね」
「その干し肉さえ持って来ればいい」
「誰でも学んでいい」
「自分のお話を聞いていい」
「そう教えていたんだね」
「そう、当時は中国も身分があったけれど」
それでもというのです。
「その身分を否定してね」
「誰でも学べる様にして」
「実際に身分はないと言って」
「そうして主張していたんだ」
「君主がいてね」
そうしてというのです。
「そしてね」
「そのうえでだね」
「国の政治の在り方をお話して」
「それが後世に伝わってるんだね」
「今も」
「そうなんだ、儒教もいい考えだから」
それ故にというのです。
「学んで損はないよ」
「そうだね」
「そのことが長崎でもわかるね」
「それもよくね」
皆も確かにと頷きます、そうてしてでした。
皆で孔子廟の中をじっくり見て回ります、そうして楽しんだ後でホテルまで帰りますがホテルに戻るとでした。
皆お部屋の中でしみじみとなってです、口々に言いました。
「今日もいい学問になったね」
「そうだね」
「原爆のことも学べたし」
「儒教のことも」
「それに中華街や中国の宗教のことも」
「そうだね、長崎は色々なものがある街だから」
先生も言います。
「学べることは多いよ」
「そうだね」
「何かとだね」
「学べることが多い街だね」
「物凄くね」
「だから一度来てみたいと思っていたんだ」
皆に笑顔でお話しました。
「本当にね」
「そうだよね」
「先生ならそう思うよね」
「絶対に」
「僕達もそうだし」
「特にね」
ここで腕を組んで言いました、真剣なお顔になって。
「原爆のことはね」
「学びたかったんだね」
「実際に長崎に来て」
「そのうえで」
「広島とね」
この街と、というのです。
「長崎のことはね」
「忘れたらいけないね」
「二度と使われたらいけないね」
「原爆、核兵器は」
「本当に」
「戦争自体が恐ろしい災厄であってね」
そうであってというのです。
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