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星河の覇皇

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第八十七部第五章 外の世界の動きを無視しその六十

「ですからテロ行為はです」
「行わないか」
「軍事施設に対しては必要と考えればわかりませんが」
 それでもというのだ。
「しかしです」
「何があろうとも」
「民間施設には」
 そちらにはというのだ。
「軍律で定めました」
「決して攻撃を加えないな」
「意図しての攻撃は」
「軍律違反だな」
「略奪暴行もですが」
「捕虜に危害を加えることとな」
「それもです」
 絶対にというのだ。
「禁じています」
「絶対にだな」
「略奪が怒らない様に給与があり」
「参戦中は手当ても出るな」
「そうしています」 
 乗船手当や航空手当等と共にだ。
「人はお金がありますと」
「往々にして奪わない」
「そして風俗施設もです」
 こちらもというのだ。
「整えています」
「そうだな」
「全てはです」
「不祥事が起こらない為の配慮だな」
「はい、そして」
 八条はさらに話した。
「一般市民には」
「手を出さない」
「それは工作でもです」
「同じだな」
「工作員に仕立てても」
「テロはしないな」
「何があっても、工作も軍事行動ですが」
 そのうちの一つだがというのだ。
「しかしです」
「それでもしてはならないことがあるな」
「戦争と恋愛にルールはない」
 八条はこの言葉も出した。
「そう言われていますが」
「実はどちらにもだな」
「あるとです」
 その様にというのだ。
「私は考えています」
「そのどちらでもだな」
「特に戦争はです」
 即ち軍事行動はというのだ。
「あります」
「ルールがな」
「それが軍律であり」
 そしてというのだ。
「国際法です」
「その両方だな」
「はい、そういったものがないと」
 とてもというのだ。
「戦争も成り立ちません」
「暴力のみの世界になるな」
「軍隊が使う力は暴力ではありません」
 八条はきっぱりと否定した。
「武力です」
「そちらだな」
「はい、ですから」
 それ故にというのだ。
「暴力ではありません」
「武力は何か」
「漢字で武力の武は矛を止めるとあります」
 漢字の表意をそのまま言葉に出した。 
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