ハッピークローバー
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第百五十五話 他人の幸せその五
「立派ね」
「天狗でもなかったみたいだし」
「やっぱり凄い人よね」
「偉人よね」
「一口に偉人って言っても」
それでもというのだ。
「問題のある人もね」
「いるしね」
「ニュートンさんとかね」
「あの人なんてね」
かな恵は言った。
「自分の学問のライバルの記録抹消しようとしたり」
「かなり酷い人だったのよね」
「最低と言っていい位ね」
「そんな人だったし」
「森鴎外さんなんて」
「もう笑えない位だったから」
そこまで酷かったとだ、一華も言った。
「最低過ぎて」
「脚気のことといい」
「凄い頑固で尊大で」
「お子さんに元祖ドキュンキラキラネーム付けて」
「権力欲の塊で」
「学歴主義で」
「ファザコンでマザコンで」
兎角問題が多い人格であったのだ。
「現地の女の人捨てたり」
「屑過ぎるわね」
「腐れ外道よね」
「お陰で私あの人の本読まないことにしたわ」
富美子は忌々し気に言い切った。
「舞姫とかね」
「その舞姫の人が捨てられた人なのよね」
「どうもね」
この辺りは諸説ある。
「いや、屑の中の屑」
「死ぬまで男爵位欲しかったそうだし」
「地位や名誉にこだわって」
「そこまでいくとかえって凄いわね」
「そんな人達と比べたら」
それこそというのだ。
「手塚さんはね」
「違うわね」
「嫉妬していてもね」
「そこから努力したし」
「面倒見はよくてね」
「意地悪もいじめもしないなら」
「何処に嫉妬する余力があったかは置いておいて」
それはどうしてもわからないがというのだ。
「そこから努力するのはね」
「いいことよね」
「ええ、いい人だったみたいね」
「そうね」
一華もそれはと答えた。
「お仕事は真面目だったしね」
「真面目過ぎる位よね」
「徹夜も普通だったなんて」
「森鴎外もお仕事は熱心だったけれど」
「お医者さんの方もね」
「けれどね」
「色々最低過ぎるからね」
その性格や行動がというのだ。
「偉人でもね」
「いいとは言えないわね」
「あの人はね」
「偉人って言っても」
そう言われる人物でもというのだ。
「人格者とは限らないわね」
「そうね」
一華も確かにと頷いた。
「そうとはね」
「本当に限らないわね」
「凄いことをして」
「世の中に貢献しても」
「性格は別よね」
「本当にね」
「坂本龍馬さんなんて」
理虹はこの人物の名前を出した。
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