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星河の覇皇

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第八十七部第五章 外の世界の動きを無視しその五十五

「ない」
「やはりそうですね」
「世の中にはな」
「そう思いましても」
「実は違う」
「全てがそうです」
 八条はまた答えた。
「世の中にあるものは」
「人間もだしな」
「満足することはありますが」
「そうであってもな」
「限界はありません」
「その進歩や成長はな」
「人間は神ではありませんが」
 このことは絶対というのだ、超然的な宗教によっては宇宙よりも遥かに巨大とされる存在ではないというのだ。
「しかしです」
「無限に成長出来てだ」
「進歩出来ます」
「そうだな」
「神になれずとも」
「神に近付ける」
「神の座は人では辿り着けません」
 八条は言い切った。
「どうしても」
「神は至高の存在だ」
「その神になることはです」
「人は無理だな」
「どうしても、神は無限の先にあります」
 それすらも越えているというのだ。
「ですから辿り着くことはです」
「出来ないな」
「ですが無限にです」
「成長と進歩は可能だ」
「これまで。もう人類はこれ以上ないまでに発展した」
「そう思われたことも多いな」
「文明の進歩の中で。ですが」
 それでもというのだ。
「まだ先がありました」
「常にな」
「産業革命でも高度情報化社会でも」
「まだ先があったな」
「SFものの様に発展しても」
 まさに夢の様な技術を手に入れてもというのだ。
「まだです」
「先がありな」
「人は進歩し続けました」
「そうだったな、それもまただ」
「人類の歴史です」
「無限に進歩していくな」
「二十世紀後半我が国にテレビゲームが誕生しました」
 八条はこの時代もあるこうしたゲームの話もした。
「ファミリーコンピューターも出ました」
「そのテレビゲームの覇者だな」
「はい、当時これ以上のものはない」
「そう思われたな」
「ですが」
 それでもだったのだ。
「世に出て十年もしないうちにです」
「それ以上のものが出たな」
「そうでした、そしてです」
「さらに上のものが出た」
「それが続き」
 そしてというのだ。
「今に至ります」
「それ以上はないと思われたが」
「十年も経たずに」
 それだけの短い期間でというのだ。 
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