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世界の礎

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第一話その十三

「どういったものもな」
「やがては」
「壊れてだ」
 そうなりというのだ。
「そして何も残らない」
「どういったものも壊れますか」
「この世に不滅のものなぞない」
 義青は再び言い切った。
「どういった生あるものも全て死に」
「何時かは」
「そしてだ」
 それと共にというのだ。
「造ったものもだ」
「壊れる」
「だからだ」
「ご自身のそうしたものはですか」
「築かない」 
 絶対にというのだ。
「その富で私は起きた世界でだ」
「そちらで、ですか」
「暮らしているしな」
「だからですか」
「こちらの世界では普通にだ」
「暮らしていかれますか」
「贅沢をせずな」 
 そのうえでというのだ。
「暮らしていく、ではな」
「そうした宮殿や神殿は築かず」
「そしてだ」
「その分の人手や富を」
「国の発展にだ」
「用いられますか」
「そうしていく、ではな」
 義青はあらためて言った。
「よりだ」
「世界の礎を築く為に」
「ことを進める」
「そうされますね」
「そうだ、まだまだな」
「やるべきことは多いですね」
「実にな、あと人材もだ」
 この話もするのだった。
「今以上にだ」
「必要ですか」
「幾ら国が大きくともだ」
 そうであろうともというのだ。
「人が少ないのではな」
「国が動かないですね」
「そうだからな」
「人材もですか」
「そなた以外にもな」
 ウルの王である彼だけでなくというのだ。
「様々な人材をだ」
「用いていかれますか」
「幸いこの世界では人の能力を見られる」
 その人それぞれのそれをというのだ。
「レベルにステータス、特技といったものをな」
「見られてですね」
「向き不向きにな」
 その人物のというのだ。
「どういった役目を与えればいいかもな」
「おわかりになられるので」
「だからな」
 そうであるからだというのだ。
「これからはな」
「優れた人材をですね」
「見ていきな」
「用いていかれますか」
「身分にはこだわらない」
 登用する人材についてはというのだ。 
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