彼は いつから私の彼氏?
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9-2
お昼過ぎに宿舎のホテルに着いて、直ぐ、お昼ご飯となって、ホテルでカレーライスにコロッケが1つ乗ったものだった。兵庫代表の摩耶女子学園と同宿なのだけど、第1ステージの予選ではグループは違っていた。準備練習は4時から1時間あてがわれていて、少し時間的には余裕があった。ホテルのマイクロバスで会場の体育館まで送ってくれることになっている。みんなが調子良くって、仕上がり順調で
「明日のメンバー トップ 美麗 2番 香 ダブルスは水澄と若葉 4番朝咲 5番 燕 で行く 全部勝て! 一つも落とすなよ」と、コーチから檄があった。私達も予選なので 勿論 全部勝つつもりだった。監督もコーチもやっぱり花梨は見せないつもりなのだ。だから、花梨も準備練習を軽く流す程度だった。その日の夜はゲンかつぎなのか、当たり前にトンカツとだし巻き卵が出ていた。
翌日は団体戦の第1ステージだけだったので、花梨も出番がなく、アシストに徹していたのだ。1グループが4チームが総当たりで、勝敗に関係なく5試合全部やるのだけど、私達は順調に難なく3試合とも5-0で勝ち上がっていた。
「香 どうだ? 明日はトップでいけるか?」と、試合の後、監督が聞いていた。
「いきます! 勝ちます!」
「うん 今の 香だったら 大丈夫だろう じゃー 決まりだな」
「明日の団体戦のメンバーを発表する トップ 香 2番手は 燕 ダブルス 水澄、若葉 4番 美麗 5番 朝咲 以上。 香 思い切っていけ! ダメでも 後が取り返してくれるからな 今度は、先に3勝だ それと、個人戦もある みんな 普段どおりな! 花梨 いよいよ 初戦だぞー 暴れろよなー」
「わかってます 思いっ切りやります」
2日目は、団体戦の第2ステージ(決勝トーナメント)1・2回戦と個人戦の1~4回戦なのだ。団体戦のほうは準決勝の4チームが、個人戦のほうは準々決勝の8人が決まるのだ。
「いよいよだね この日ために頑張ってきたんだものネ 4人揃って 迎えるなんて夢みたい」
「若葉 夢じゃないよ まだまだ これからだよー それより、あんた等 団体と個人戦も ハードだよ 頑張ってネ」と、花梨は次第に闘志を燃やしているみたいだった。晩ご飯はひとりでお代わりをしていた。
翌日の団体戦。香は躍動していた。1戦目も2戦目も香がトップを切って勝利していて、後に続いた燕先輩も私達ペァも相手を圧倒して、2試合とも3-0で準決勝へと進んだのだ。明日の準決勝は 神奈川代表山手丘学園対大阪代表二色が浜中学 そして、私達の相手は埼玉代表日進中央中学なのだ。それぞれが順当な勝ち上がりだった。おそらく、山手丘が勝ち進んでくるのだろう。私達にとって待ち望んでいた相手。
「香 ドロ雪姫やったなー すごい」
「なんやー ドロ団子 あんた等 まだ 1ゲームも落としてへんのんやろー やっぱり 最強やー」
個人戦でも我がチームのメンバーは4回戦までは残っていたのだが、次に勝ち上がったのは、燕先輩、花梨、若葉と私の4人だった。美麗先輩は山手丘の秋元蓮花と当たっていて敗退していた。その後、抽選があって、明日の準々決勝の相手は、燕先輩は山手丘の秋元蓮花 私は二色が浜中学の進藤かがり 勝つと 次は秋元蓮花か燕先輩か・・・ 花梨の相手は山手丘の見沼川七菜香で若葉の相手は東京代表の久遠美玖 多分 次は花梨と若葉のつぶし合いになるのだろう。
晩ご飯の時、同宿の摩耶女子学園の姿はもう無かった。先に進めないで、宿舎を去るのって悔しいだろうなと、私は心を痛めていた。だけど、食事の後、監督から
「みんな よくここまで頑張ってきてくれた ありがとう 明日はいよいよ 悲願ともいえる 山手丘との決戦になるだろう 花梨 今日は暴れ過ぎた 全てストレート勝だったな 僕がブレーキを掛ければ良かったんだけど 花梨の気持ちもわかるのでなー 今頃 山手丘の連中も慌ててるだろう やっぱり 居たんだってー 秘密兵器がなー でも こうなったら、花梨も思い切っていけぇー お前なら きっと勝てる秋元蓮花になー 花梨はプレッシャー感じるような柔じゃぁないから 言うけどな この一戦でうちが優勝できるかどうが決まるからな! 思い切っていけ! 明日のメンバー コーチから発表する」 と、現実に戻っていた。
「団体準決勝 トップ 花梨 2番 燕 3番ダブルス いつも通り 水澄、若葉 4番 美麗 そして、5番 香 良いかぁー 去年のリベンジだぞ! このメンバーで決勝もな 個人戦でも、それぞれの活躍を期待する 出来れば2冠をネ 以上」
「花梨 明日頑張らなきゃーネ 監督もコーチも すごぉー期待してるヤン プレッシヤー感じてる?」
「いいやー 燃えている ウチで優勝決めるんや! 響先輩の想いも背負ってるしなー」
「さすが花梨やねー ウチなんか 今日 ビビってたんやー」
「そんなことないヤン 香 伸び伸びやってるみたいやったでー 個人戦は残念やったけどなー でも、東京代表の久遠美玖を最後まで追い詰めたんやからー でも、明日 若葉が仇取ってくれるわー」
「なんやのん 水澄ぃー 他人事みたいにー 水澄やって 油断出来ひんでー」
私達は全く緊張してなくて、試合を楽しんでいたのだ。この日の為に、お互いを磨いてきたから、自信もあった。
そして、お父さんからラインが入って来て(今 近くの温泉宿に居る 夕方 会場に行ったんだけど、もう、終わっとってな ちゃんと勝ち進んでるみたいだな 明日は 朝から応援に行く) 何か 気楽に観光に来ているみたい。それに、事務員の女の子も居るって言っていたから・・・はしゃいでいるんかしら・・・。
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