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星河の覇皇

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第八十七部第五章 外の世界の動きを無視しその四十六

「仲裁を」
「そうしてその仲裁を受けてですね」
「オムダーマン、ひいてはサハラと和解します」
「サハラ侵攻のそれを越えて」
「そうしてサハラと平和条約を結び」
 そうしてというのだ。
「あの国との緊張をなくします」
「そうお考えですか」
「そうなればサハラに向ける軍事的負担がなくなるので」
「他の分野に回せますね」
「その余力を、敵は少ないに限ります」
 絶対にというのだ。
「そうします」
「もう動かれていますか」
「はい、ただ」
「それでもですね」
「連合は違います」
「サハラの動向もですね」
「情報は入っていますが」 
 それでもというのだ。
「動くこともです」
「なく」
「中で争ってばかりです」
 そうした状況だというのだ。
 ギルフォードはこう言ってまた紅茶を飲んだ、傍にいた従者がお代わりを入れたところで礼を述べてそうしてからまたブラウンベルグに話した。
「愚かなことです」
「サハラの動向なぞですね」
「知らない風です」
 そうした状況だというのだ。
「関心がないので」
「だからですね」
「あの国は相変わらずです」
「他国に関心が薄いですね」
「ないと言っていいです、連合の外で何が起ころうとも」
 例えそれがその地域で非常に大きなことでもというのだ。
「見ても一瞥で」
「それで終わりで」
「特に動きません」
「それでサハラにもですね」
「その有様です、ですが我々は違います」
「動いて」
「そして敵でなくし」 
 そうしてというのだ。
「負担を減らしていきます」
「余力は内政にも使い」
「暗黒宙域の踏破にも使い」 
「連合にもですね」
「向けます、その無関心の代償を」 
 まさにそれをというのだ。
「支払わせます」
「そうさせますか」
「その布石を打っていきます」
 こうブラウンベルグに話した、そして実際だった。
 連合はサハラの情勢のことは知っていた、だがそれを遠い他の世界の様に見て考えていた。それでだった。 
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