| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ハッピークローバー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百五十四話 仮面その六

「思えばね」
「それならか」
「発明してくれる人がいるのよ」
「世の中そうなんだな」
「私発明には興味ないけれど」
 それでもというのだ。
「余の中エジソンさんみたいにね」
「発明する人いるな」
「例えば端っこに消しゴム付いた鉛筆ね」
「ああ、あの鉛筆な」 
 鳴海はその鉛筆を思い出しつつ頷いた。
「売ってるな」
「あれだってね」
「発明されたな」
「そうよ、こんなのあればいいってね」
 その様にというのだ。
「思ってね」
「発明する人がいるんだな」
「そうなのよ」
 まさにというのだ。
「これがね、それでね」
「そんな洗剤もあるんだな」
「そうなのよ、汚れている場所に塗って」 
 直接そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「洗濯機に入れてか」
「勿論普段使う洗剤も使うのよ」 
 洗濯機に入れるというのだ。
「そうしてね」
「洗えばか」
「カレーとかのしつこい汚れもね」 
 それもというのだ。
「落ちるのよ」
「そうなんだな」
「そう、だからね」 
 それでというのだ。
「カレーが付いても安心よ、けれどね」
「けれど?」
「やっぱり汚れないことがね」 
 それがというのだ。
「一番よ」
「ああ、洗濯してもか」
「汚れ取れてもね」
 カレーの様なそれもというのだ。
「そうした洗剤使ってね」
「それでもか」
「やっぱりね」
 何と言ってもというのだ。
「汚れないのがね」
「一番か」
「そう、ただ遊んだりスポーツして汚れたら」
 かな恵は笑って話した。
「いいけれどね」
「汚れてもか」
「私や明男がそうしたことで汚れて帰ってきても」
「おばさん怒らないな、俺の母ちゃんもな」
「そうしたことで怒らないでしょ」
「一度もないよ」
 鳴海は真顔で答えた。
「母ちゃん怒ると怖いけれどな」
「それでもよね」
「俺が遊んだりスポーツで汚れて帰って来てもな」
「それこそ泥だらけでも」
「一度もな」
 それこそというのだ。
「怒られなかったよ」
「そうよね」
「そうしたことだとな」
「そうよね」
「そうしたことで汚れるのは当然だってな」
「うちのお母さんも言うから」
「子供は汚れるのが仕事だってな」
 その様にというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧