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星河の覇皇

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第八十七部第五章 外の世界の動きを無視しその四十四

「拳銃を置いて一人にされます」
「はい、プロイセンからの伝統です」
 ブラウンベルグは答えた、尚この時代欧州の各君主家も復権しておりプロイセン王であったホーエンツォレルン家も王家となっている。ただしドイツとは違う国だ。
「それは」
「左様ですね、この自害の方法は」
「プロイセンです」
 この国のものだというのだ。
「あの国の軍隊のものでして」
「士官が処刑されるなら」
 その時はとだ、ギルフォードも応えた。
「その前にです」
「席のある個室で机の上に拳銃を置かれ一人にされました」
「その拳銃には実弾が込められていて」
「無言で自害を進められました」
「そしてエウロパ貴族も」 
 彼等もというのだ。
「罪を犯した時は」
「誇りある自害で決着をつけます」
 自分自身でというのだ。
「そうします」
「左様ですね」
「貴族は誇りがあります」
「そしてその誇りで生きています」
「その誇り故に」
 まさにそれに基づいてとだ、ブラウンベルグも答えた。
「不文律は守ります」
「法律に書かれていなくとも」
「そうなっています」
 こう話した、そして。 
 その話の中でだ、ギルフォードはこうも言った。
「特に我が国は」
「イギリスは成文法が存在しませんね」
「はい」
 このことも言うのだった、この時代でもイギリスには成文法は存在しないのだ。慣習法で法律が動いているのだ。
「その為です」
「尚更ですね」
「不文律は守らなくてはなりません」
「そうお考えですね」
「ですから領民から献上されたものは」
 それはというのだ。
「何があってもです」
「受け取ってですね」
「最後の最後まで」
「大事に使いますね」
「収奪なぞしません」 
 絶対にというのだ。
「何があっても」
「その必要がなく」
「国家システムでもです」
 エウロパのそれでもというのだ。
「無理です」
「左様ですね、そのことをです」
「連合はわかっていません」
「搾取も収奪もしません」
 自分達はというのだ。
「絶対に」
「左様です」
 二人はここでそれぞれの飲みものを飲んだ、ギルフォードはミルクティーをそしてブラウンベルグはウィンナーコーヒーを飲んだ。 
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