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八条学園騒動記

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第七百八十一話 もてるからこそその四

「その方がよかっただろうね」
「やっぱりそうだな」
「自由というかね」
「おおらかだな」
「そんな街だったからね」
「暮らしてみたいな、大坂」
「江戸時代の日本に行ったら」
 ベンはそれならと述べた。
「そうだね」
「江戸時代よりもな」
「僕もそう思うよ」
 ベンは笑顔で答えた。
「あそこまで無茶な好色人生は送れなくても」
「流石にそれは無理だな」
「エロゲでもね」
 そうした世界でもというのだ。
「無理だね」
「女の人で三千六百人以上でな」
「男の人も七百人以上」
「そうなるとな」
「もう何日に一回の割合でね」
「遊んでるな」
「そこまでになるとね」
 それこそというのだ。
「エロゲ真っ青だよ」
「そこまでだな」
「だからね」
 それでというのだ。
「もうね」
「無理だな」
「遊び人どころか」
「ある意味求道者だな」
「そうだね、まあ求道者とね」
 ここでベンはこうも言った。
「自分に自信があって自分に甘く他人に厳しい」
「それは違うな」
「これは只の屑だね」
「勘違い野郎だな」
 フックはそうした輩について軽蔑した口調で答えた。
「もうな」
「そうだね」
 ベンも確かにと頷いた。
「求道者じゃないね」
「そこを間違えると馬鹿だな」
「自分が作品とかに熱心だからね」
「他人にも求めるのとな」
「自分に甘く他人に厳しいはね」
「違うな、そこを間違えろとな」
 それこそというのだ。
「馬鹿だ」
「そうだね」
「ああ、しかしな」
「しかし?」
「西鶴さんに他人に厳しくとかな」
「そんなことはないな」
「そう、そして」
 ベンはフックに考える顔で話した。
「面白いんだよね」
「自分に甘く他人に厳しいとな」
「作品にも出るね」
「俺凄い俺恰好いいでな」
「ふんぞり返ったみたいな作品で」
「自分だけ得意になってるな」
「そんな風でね」
 その作品はというのだ。
「全くね」
「面白くないな」
「西鶴さんって人は人、自分は自分」
「そんな人だっただろうな」
「だからね」 
 そうした人間性でというのだ。
「ああした我が道を往く」
「そんな作品を書けたんだな」
「そうだろうね、他人にあれこれ言う人は」
 そうした輩はというと。 
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