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おぢばにおかえり

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第八十三話 回廊ひのきしんその六十八

「貴女がひのきしんいさんでいることはわかりました」
「そうなの?」
「はい、そのことは」
「そうなのね」
「はい、またこれからもです」
 新一君は先輩に言いました。
「ひのきしんさせてもらうなら」
「私と一緒になの」
「させてもらってもいいです」
「それじゃあ」
「またお願いします」
「先輩私と同じ兵庫の人だから」 
 ここで私はこのことを言いました。
「だからね」
「おみちでは同じ兵庫教区ですね」
「だからお会いする機会もあるでしょうし」
 高校に入るまではなかったですが。
「その時はね」
「また来ますか」
「私はね。ただ新一君は奈良の人だから」
 大阪生まれとのことですが。
「けれどね」
「それでもですね」
「若しかしてよ」
「兵庫に行くこともありますか」
「人の一生ってわからないから」
 こんなにわからないものもないと思います。
「不思議なご縁でね」
「親神様のお引き寄せで」
「そう、それでね」
 まさにそれで、です。
「どうなるかわからないから」
「僕もですね」
「ひょっとしたらね」
 何か新一君が私の方をじっと見ているのが気になります、先輩はそのことに気付かれたのかくすりと笑われています。
「兵庫にね」
「来ることもありますね」
「兵庫といっても広いし」
 一口に兵庫県と言ってもです。
「神戸だけじゃないのよ」
「姫路や西宮も兵庫県ですね」
「日本海側だってね」
 瀬戸内の方が有名でもです。 
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