抱き締められる狐達
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第二章
「こちらのお話を聴きまして」
「私達のお話もしたくて参上しました」
「ワン」
「ワンワン」
見れば二匹のシェパードも一緒だ、マーブルは犬達の話もした。
「オスカーにダンリー、兄弟でどちらも雄です」
「彼等の私達の家族でして」
「そしてこの子も」
「パンプキンといいます」
「コン」
一匹の雄の狐がマーブルに抱き締められて出て来た、マーブルは彼のことも話した。
「パンプキンと名付けまして」
「家族に迎えられましたか」
「はい」
グルーコックにそうだと答えた。
「交通事故で脚を汚しているところを保護しました」
「二本骨折していまして」
夫も話した。
「目も見えなくて」
「それで、ですね」
「保護しまして」
そうしてというのだ。
「今は家族に迎えています」
「そうされていますか」
「それで家族に迎えますと」
マーブルはパンプキンを抱き締めたままグルーコックに話した。
「こうしてです」
「懐いてくれましたか」
「はい」
そうだというのだ。
「これが」
「そうですか」
「はい、そして」
それにというのだった。
「オスカーとダンリーともです」
「仲がいいのですね」
「犬は狐の天敵ですが」
それでもというのだ。
「そうなってくれました」
「素晴らしいことですね」
「貴方のお話を聞きまして」
「それで、ですね」
「お邪魔させてもらいました」
「スウィーブの様な子が他にもいるとですね」
「お話したくて」
それでというのだ。
「そうさせてもらいました」
「そうなのですね」
「スウィーブも幸せですね」
「パンプキンと同じく」
笑顔でだ、グルーコックは答えた。
「左様です」
「それは何よりですね、ではこれから宜しければ」
グルーコックに申し出た。
「お付き合いさせてもらって宜しいでしょうか」
「喜んで」
グルーコックは笑顔で応えた。
「宜しくお願いします」
「それでは」
「スウィーブとパンプキンも」
「そうなれば何よりですね」
「コン」
「コンコン」
見ればだった、ここで。
二匹は早速仲よくなっていた、グルーコックも獣医の夫婦もそんな彼等を見て笑顔になった。
抱き締められる狐達 完
2024・12・23
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