合格する為の努力
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第一章
合格する為の努力
科挙の試験を受けるにあたってだ、四川省で暮らしている学者の家の息子である陸青将は科挙に用いられる書を子供の頃から読んだ。
兎角読んだ、毎日朝から晩まで読み通り。
「全部覚えたか」
「はい」
青年になり学者の父に答えた、面長で端正な顔である。
「遂に」
「では来年の科挙をだ」
「受けるのですね」
「そうするのだ、いいな」
「わかりました」
「それまでも書はな」
それはというのだ。
「読み頭の中にだ」
「入れるのですね」
「全て暗誦出来る様になり」
「内容も理解する」
「百回でも二百回でもだ」
そこまでというのだ。
「読むのだ、兎角だ」
「学びですね」
「読むことだ」
大事なのはというのだ。
「だからな」
「科挙のその時まで、ですね」
「読むのだ、そしてだ」
父は息子にさらに言った。
「身体が万全でないと駄目だ」
「幾ら学んでも」
「身体が悪くてはだ」
それではというのだ。
「駄目だ、だからな」
「しかと寝て」
「そして身体を温めてな」
「よいものを食べるのですね」
「そうするのだ」
息子にこうも言った。
「だから酒はあまり飲まずな」
「確かなものを食する」
「そうするのだ、いいな」
「そうしていきます」
「では粥を食べてもな」
「及第粥ですね」
「それをよく食べるのだ」
こう言ってだった。
家の者達に豚の内臓を淹れ落花生や油条を細かく切ったものをまぶし卵を入れた粥を作らせた。陸は進んでそれを食べた。
そうして身体にも気を付けたうえで学問に励み。
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