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星河の覇皇

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第八十七部第五章 外の世界の動きを無視しその十

「そうします」
「そうです、ですが」
「連合では自ら働く」
「そして汗をかくことがよし」
「そうされていますね」
「芋を作って」
 自らそうしてというのだ。
「売って富を得る」
「それで資産家になればよし」
「そうした国で」
 それが連合でとだ、アランソも言った。
「農具を手にすることに抵抗がない」
「工具にしても」
「スポーツや戦場以外でも汗をかく」
「誰であっても」
 貴族は肉体労働は直接しないものとされている、監督する立場というのだ。
「そうすることにいとわない国ですね」
「それが怖いのです」
 アランソは真顔で述べた。
「勤勉が最も尊ばれる国で」
「誰でもそうして働く」
「肉体労働をしてもよしで商業で一代で身を立てれば」 
 それでというのだ。
「名門の家の主かそれ以上にです」
「賞賛されますね」
「そうした国はやはりです」
「栄えますか」
「ただ栄えるのではなく」
 それで終わらずというのだ。
「栄え続けます、また働けば働くだけ」
「それだけで、ですか」
「富を得られますし資源は常に満ちています」
「餓えを知らないですね」
「人は餓えねば」
 そうであればというのだ。
「叛乱を起こしません、例え多少辛くとも富があれば」
「それで満足する」
「衣食住が万全なら」
 それならばというのだ。
「人はあえてです」
「争うことはしないですね」
「衝突しましても」
 例えそうなってもというのだ。
「生きられるなら」
「命を賭けて戦うことはしない」
「左様です、何故戦争が起こるか」
「生きるか死ぬかであり」
「戦わねば生きられない」 
 人も国家もというのだ。
「そうした状況なので」
「だからですね」
「人はです」
「争いますね」
「そうします、ですが衣食住があり」
「そのまま暮らせるなら」
「衝突も言うなら財産があるうえでの取り合いです」
 自分にそれがある上でのというのだ。
「欲を出してもです」
「殺し合ってまで奪い合うまでではない」
「連合は資源に満ちています」
 そうした国であることをまた言うのだった。
「あの広大な銀河系の殆どを領有する中で」
「資源もですね」
「あれだけの星系を所有していますから」
 何千億もの星系とそこにある星達をというのだ。
「資源もです」
「非常に多くありますね」
「まさに無限です」
 こう言っていいまでのというのだ。 
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