星河の覇皇
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第八十七部第五章 外の世界の動きを無視しその九
「キリスト教と何処か似たところもある宗教ですね」
「教祖は女性ですが」
「教会もある」
「その教会がある宗教で」
「連合全体に信者を擁していますね」
「そうした古くかち結構な勢力を持つ宗教ですが」
アランソはその天理教の話もした。
「この宗教でも家が絶えることを避けていて」
「それで、ですか」
「教会も信者も家を続ける」
「その考えが強いですか」
「それで養子を迎えたりしてです」
エウロパ貴族の様にというのだ。
「続けています」
「そうなのですね」
「連合は家を続けるという考えは希薄ですが」
エウロパから見ればそうだがというのだ。
「しかしです」
「それでもですね」
「天理教はエウロパ貴族の様に」
「そうした考えがありますね」
「はい」
そうだというのだ。
「連合にもそうした考えが存在している様です」
「そうなのですね」
「貴族ではないですが」
それでもというのだ。
「その様です」
「連合は雑多で色々な考えがある国でして」
「そうした宗教も存在していますか」
「そうです、しかし天理教は連合の宗教」
アランソは冷淡な声で述べた。
「農業や大工仕事の宗教だそうです」
「農業ですか」
「教えに何かとです」
「農業の教えが出ますか」
「左様です」
そうだというのだ。
「我々は剣、武がよく出ますが」
「貴族としては」
「農業が出る辺り連合で」
「大衆ですね」
「大工にしても」
こちらの職業の話が出てもというのだ。
「左様ですね」
「はい、我々は農業は指導者として接します」
貴族は述べた、この貴族の専門は農業でありその発展に領主の立場として積極的に学び論文も書き政策にも反映させているのだ。
「ですが」
「農具を持つことはですね」
「ありません」
絶対にというのだ。
「趣味でガーデニングはしましても」
「それでもですね」
「農具を手にして直接耕したりすることは」
「ありません」
絶対にというのだ。
「それは」
「左様ですね」
「自ら持つのではなく」
「持ち方を教えます」
こうアランソに答えた。
「我々は」
「そしてそれを手にして汗をかけば」
「褒め称えます」
ここで否定したりけなすことは貴族のすべきことではないとされている、貴族は平民に多少以上の粗相を見ても笑顔で許し真面目に働くなら褒めるべきとされているのだ。
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