星河の覇皇
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第八十七部第五章 外の世界の動きを無視しその八
「異性との結婚そして」
「お子をもうけられることは」
「していませんし」
「出来ないですか」
「私自身はそうです」
こう貴族に話した。
「男性に対してそうした感情を持ったことは」
「ありませんね」
「左様です」
「それで、ですか」
「今もです」
「こう言われますか」
「はい」
まさにというのだ。
「子供はもうけられません、ですが」
「それでもですね」
「家は残ります」
それは行うというのだ。
「そちらのこともです」
「されていますね」
「妹の子が継いでくれます」
「その方がですね」
「養子に入ってもらっているので」
「大丈夫ですね」
「はい、ですから」
それ故にというのだ。
「このこともです」
「安心してですね」
「そのうえで」
「ご公務に励まれていますね」
「左様です」
こう貴族に答えたのだった。
「今も」
「それは何よりですね」
「家を残さずしてです」
「貴族ではないですね」
「貴族は血によってなります」
「家で」
「ですから」
この考えはアランソも持っている、貴族それも権門の家の者であり幼い頃から教えられて手にしているのだ。
「私もです」
「このことはですね」
「もう整えています」
「それは何よりです」
貴族のその話を聞いて述べた。
「お話は聞いていましたが」
「私の口から直接聞いてですね」
「そうなりました、やはり家はです」
「続くべきですね」
「そうです、ましてや副首相のお家は」
「名門であるというのですね」
「代々の」
それ故にというのだ。
「ですから尚更です」
「続くべきというのですね」
「そうです、若し途中で絶えれば」
「このうえなく悲しいことですね」
「それが貴族にとって最も悲しいことです」
この考えは古来より貴族の家では存在していることであるがエウロパ貴族でも同じであるのだ。
「ですから」
「家が絶えぬ様にする」
「それは第一ですね」
「まことに。そういえばです」
ここでアランソはこんなことを言った。
「連合には天理教という宗教が存在しますね」
「ああ、あの日本から生まれた」
貴族はその宗教の名を聞いてすぐに述べた。
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