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星河の覇皇

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第八十七部第五章 外の世界の動きを無視しその七

「そのことを熟知しているので」
「ああしてですね」
「巨大で豊かな国になっていて」
「強いですね」
「その連合と対する」
「このことはですね」
「強く意識して」
 そうしてというのだ。
「私は今国家に奉職しています」
「中央政府副首相として」
「左様です」
「かつては大統領補佐官でしたが」
 前政権の時の話もした。
「今はです」
「副首相ですね」
「その役職で、です」
「勤めておられますね」
「そうしています」
「そしてエウロパをですね」
「豊かな国にしています、総生産も国民所得も増やし」
 そしてというのだ。
「そのうえで、です」
「技術もですね」
「向上させ人口もこれからは」
「増やしていく」
「そうして大きくなります、とはいっても私自身は」
 ここでアランソは自嘲した笑みを浮かべた、冷静な美貌で知られる顔にそうしたものを浮かべさせて述べた。
「結婚は、異性の方とはです」
「されないですね」
「私は同性しか愛せないので」
 だからだというのだ。
「ですから」
「左様ですね」
「性同一障害とです」 
 その様にというのだ。
「言われてもいます」
「診断を受けられたのですか」
「十代、高校の頃に」
 貴族らしく名門の寄宿学校に通っていた。
「その頃に診断を受け」
「言われたのですか」
「そうでした、もの心ついた頃から」
 まさにその頃からというのだ。
「同性、女性しかです」
「愛せなかったのですか」
「私は」 
 そうだったというのだ。
「そしてです」
「その頃からですか」
「はい、若しやと思っていましたが」
「診断を受けられて」
「わかりました」
 自分自身のこのことがというのだ。
「よく」
「そうでした」
「そしてそれなら仕方ないとです」
 そうした身体ならというのだ。
「これもまた私なのだと。とはいっても性同一障害でも」
「同性愛でない場合もありますね」
「そこはそれぞれとのことです」
 その人それぞれだというのだ。
「やはり」
「そして副首相はですね」
「そうしたものです」
 同性愛的傾向の強い性同一障害だというのだ。
「ですので」
「それを受け入れられて」
「そしてです」 
 そのうえでというのだ。 
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