混沌の魔術師と天空の巫女
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序章 始まりと出会い
別れとギルドと約束
ウェンディと出会って1月がたったある日・・・
「っ!アニマ!!」
「え?」
「アニマって確か・・・お前が探しているっていう・・・。」
「あ、ああ・・・。」
「何?一体どうしたの?」
「アニマってどこにあるんだ?」
「・・・・・・。」
数分後、雨が降り、ジェラールの口から、とんでもない事を言った。
「君達との旅はここまでにしよう。」
「なっ!?どうしてだ!!」
「アニマは危険なんだ。つれて来る事はできない。」
「どうしてなの!?ジェラール!!一緒にいようよ!」
「そうだよ!俺達これからどうすればいいんだよ!!」
「・・・この森を抜けると、ギルドがある。そこで君達を預けるよ。」
「バカ野郎!友達であるお前も危険なんだろ!そんな所に・・・!」
「俺は、友達に危険な目に遭わせたくないんだ!」
「イヤ!一緒にいようよ!!」
ウェンディは泣きながらそう言った。
「・・・ゴメン、はっ!」
ジェラールは持っていた杖を出し、何かをした。
「あれ・・・ふにゅ・・・。」
ウェンディは突然、眠ってしまった。
「ジェラール!?」
「ゴメン。ウェンディを悲しませたくないんだ。
運んでくれ、頼む!君の一緒に連れていくから!!」
「本当か?」
「・・・ああ。」
「しゃあねぇ!」
俺はウェンディを抱え、ジェラールと一緒に走りだした。
「何だここ?」
「廃村だね。」
「誰じゃ?」
「「!?」」
俺達は声に驚いた。そして、声の方を向くと、そこには1人の老人がいた。
「なんじゃお主らは?」
「えーっと・・・俺らは・・・。」
「すいません、どこかで話をしてもいいですか?」
「ああ、構わん。こっちへ来なさい。」
「ありがとうございます。」
「あ、ありがとう・・・。」
俺達はじいさんの後を追い、1つの破損された家に入った。
「すいません、今日ここに泊まっても構いませんか?」
「ああ。構わんぞ。」
「ありがとうございます。」
「どういう事だよジェラール?」
「準備が必要だから、明日行く。」
「・・・わかった。」
俺はジェラールの言う事を信じるしかなかった。
翌日の朝・・・
「ふあっ、よく寝た。ん?」
何か話し声が聞こえた。
「2人をお願いします!」
「・・・・・・わかった。」
「さようなら、2人とも・・・。」
「!?」
俺は驚いた。ジェラールの奴、どういうつもりだ!?
「おい!ジェラール!」
「っ!」
「どういう事なんだよ!?」
「ゴメン・・・昨日言ったのは嘘だ・・・。」
「なっ!?」
「昨日も言ったよ。2人を危険に遭わせたくないんだ。」
「おい!それはないだろう!!俺も行く!!!」
「駄目だ!君にはやる事ある。」
「やる事?」
「ウェンディと一緒にいる事だ。」
「・・・え?」
「ウェンディの事を頼めるのは君だけだ!」
「っ!?」
俺は・・・その言葉で・・・何も言えなくなった・・・。
「・・・そうだよな・・・ウェンディを1人にさせるのは・・・できない・・・。」
「ゴメン・・・ウェンディにも言っておいてくれ・・・。」
ジェラールはそこから去ろうとした。
「ジェラール!」
「?」
俺も声にジェラールは反応してくれた。
「いつかまた会おう!絶対に!!約束だぞ!!!」
「・・・わかった。絶対に・・・会うよ!」
「ジェラール・・・!」
「その時まで・・・。」
「さよならはなしだ。」
「え?」
「また会おう!」
俺は手を振ってそう言った。
「ああ!また会おう!!」
ジェラールも手を振ってくれた。
俺はジェラールが見えなくなるまで、そのこに立ったままいた。
「・・・さて、ウェンディに説明するか。」
俺はじいさんがいた所へ戻って行った。
「おじいちゃん、ここ・・・どこ?」
「こ・・・ここはじゃな・・・。」
「ジェラール・・・私をギルドにつれてって・・・くれるって・・・。」
「・・・ギ・・ギルドじゃよ!!ここは魔導士のギルドじゃ!!」
「本当!?」
「ああ、そうじゃ。」
「ウェンディ!」
「コージ!」
ウェンディは俺を抱きしめて来た。
「よかった・・・コージもこのギルドにいるんだよね?」
「ギルド?」
「このおじいちゃんがそう言ってくれた。」
ここにいるのは、俺とウェンディ以外には、あのじいさんだけだった。
「どういう事だ・・・?」
「外を見なさい。」
「?」
俺とウェンディは外を出て見た。
「なっ!?」
先程までの誰もいないはずの廃村が、ちゃんとしたギルドになっていた。
「これは・・・!?」
「わぁ、たくさん人がいるね!」
「どうなってんだ・・・一体・・・!?」
「君、こっちへ来なさい。」
じいさんに呼ばれ、俺はじいさんの所へ来た。
「これはわしの魔法じゃ。」
「魔法!?」
「あの子のためにわしが作った幻に過ぎん。」
「どういう事だ・・・!」
「わしは・・・本当はニルビット族じゃ・・・。」
「ニルビット族・・・?」
「そうじゃあ・・・。」
じいさんは話を続けた・・・そこには・・・
悲しい話とニルビット族の悲劇があった・・・。
「・・・・・。」
「そういう事じゃ・・・。」
「いいのか・・・俺とウェンディのために・・・。」
「あの少年のあまりのまっすぐな眼につい承諾してしまったのだ・・・。」
「ジェラール・・・。」
「たぶんその者はお主ら2人のためにやったとわしは思う。」
「・・・そうかもな。ありがとうじいさん、いやマスターと呼んだ方がいいなぁ。」
「そうかもな。」
「コージーーー!こっち来て!私達のお家があるよーーー!!!」
「行ってやりなさい。あの子のために。」
「はい、そうします。ウェンディ!」
俺はウェンディの元へ行った。
夜・・・俺達が住む事となった家で・・・
「ギルドの名前は覚えた?」
「うん、魔導士ギルド、『化猫の宿』!」
「そうだ、よく覚えたな。」
「うん。ねぇ、ジェラールはどこ。どこにいるの?」
「・・・・・。」
そうだった・・・その事を話さないとな・・・。
「・・・ゴメン、ウェンディ。」
「?」
「ジェラールは・・・行っちまった・・・。」
「!?そんなぁ!!」
「ウェンディ!俺の話を聞いてくれ!ジェラールの事も話すから・・・頼む。」
「・・・うん。」
「ジェラールは本当はアニマっていうのを探すために旅をしていた。
途中で俺達と出会って、本当は俺達をギルドに預けようとした。
俺達はジェラールと一緒にいすぎて、こんなことになっちまったんだ。
だから、本当は俺達はジェラールのために考えれば、こうした方がいいんだ。」
「・・・コージは、それで納得するの・・・?」
「ジェラールに頼まれたんだ。お前の事をな。」
「えっ?」
「俺とお前は滅竜魔導士で、お前は親を探す。
でも、今のお前を1人にさせるのは心配になる。だから・・・」
俺はウェンディにこう言った。
「俺が一緒にいてやる。寂しかったり、怖い事があったりしたら、俺を頼れ。
俺はお前を1人にさせない・・・約束だ・・・!」
「コージ・・・。うん、わかった。」
「ありがとう。ウェンディ。」
「ね、ねぇ・・・私からもお願いがあるけど・・・いい?」
「何だ?」
「これか・・・コージの事・・・お兄ちゃんって呼んでいい?」
「え?」
「だって・・・一緒に居てくれるから・・・そう呼んだ方がいいと思って・・・。」
「俺が・・・お前の・・・。」
「・・・ダメ?」
「・・・いや、俺でよかったら、お前の兄になってやるぜ。
約束だ。俺とお前は兄妹だ。名前が違っても、関係ないぜ。わかった?」
「うん!わかったよ、お兄ちゃん!」
「よーし!それともう1つ約束だ!」
「?」
「俺はお前を絶対何があっても助ける!
これは兄として頑張らなければならねぇ!だから約束だ!!」
「うん!約束だよ!!」
こうして、俺達は義兄妹となり、大切な約束をした。
後書き
どうも、白鋼です。コージとウェンディが化け猫に入りました。
次回は一気に2年後の話になります。お楽しみに~!
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