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神々の塔

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第九十二話 最上階その十四

「むしろな」
「ほんまそやな」
「そうしたものや」
 リーがここで二人に言った。
「世界を救おうと思ったらな」
「やることが大きくなって」
「それをやるなら政やな」
「勢力を持つなら」
「それならな」
「これが勇者になってや」
 リーは二人にこう例えて話した。
「そのうえでや」
「世界を救おうと思ったら」
「戦うな」
「世界を滅ぼそうとする魔王とか倒して」
「そうなるな」
「そや、しかし私達はちゃう」
 こう言うのだった。
「世界を救うならや」
「まず世界を統一するが」
「それだけやないな」
「勢力を持てば民がおる」
「領土かてな」
「民と領土をそのままにしてや」
 一切政をせずにというのだ。
「どうなる」
「折角勢力にしてもな」
「何もせんと乱れるな」
「無政府状態になってな」
「碌でもにないことになるわ」
「戦う時もある」
 そうした時もというのだ。
「戦をしたりや」
「賊やモンスターの征伐もする」
「実際僕等もやってきたしな」
「そうした時もあるな」
「そやな」
「しかしな、それだけやとな」
 戦だけではというのだ。
「どうにもならん、勢力を持ったら」
「それやとな」
「政をせなあかんな」
「そや、そういうことや」 
 こう言うのだった。
「それでや」
「戦よりも政」
「そうなってるな」
「そや、このことは変わらん」
 二人に自身も書類仕事をしつつ言った、見ればリーの仕事ぶりは他の面々と比べてもかなり速い方である。
「これからもな」
「そやな、ほなな」
「政はやってこうな」
「これからも何かとあるし」
「平和で豊かにするのも世界を救うことになるしな」
「そういうことや」
 まさにとだ、リーも言ってだった。
 仕事をしていった、塔での冒険を終えた一行に休息はなかった。


第九十二話   完


                  2024・10・1 
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