神々の塔
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第九十二話 最上階その十三
「帰られてすぐで恐縮ですが」
「仕事は待ってくれへんな」
「そうですので」
だからだというのだ。
「ここは」
「ほなそうするな」
シェリルも他の面々も頷いた、そして実際にそれぞれの席に戻り仕事に入った、すぐにそれぞれ書類の山に囲まれてだった。
サインをしていった、綾乃は棟梁の印を押しつつ言った。
「いや、懐かしいわ」
「こうした仕事をするのもな」
「塔では全然せんかったから」
参謀総長として事務仕事をしている芥川に応えた。
「ほんまにね」
「懐かしいな」
「こうして次から次に来る書類を見て」
「サインをするのがな」
芥川はサインをしている、もっと言うと印を押しているのは綾乃だけである。
「懐かしいな」
「ほんまにそやね」
「政をしてるとな」
それならというのだ。
「もうな」
「書類仕事は絶対にあるね」
「書類で動くもんやからな」
「政は」
「政は官僚システムで動いて」
そうしたものでというのだ。
「その官僚システムはな」
「書類で動くから」
「そやからな」
だからだというのだ。
「こうしてな」
「うち等も書類仕事するね」
「絶対にな、それで僕等は国を動かしてるから」
その立場にあるからだというのだ。
「立場が上になるとな」
「それに比例して書類仕事も増える」
「そうなるさかいな」
「官僚システムやと」
「それでや」
それが為にというのだ。
「僕等もな」
「こうしてやね」
「仕事が多い」
「そやね」
「しかし事務処理の特技もあるし」
「皆ね」
「そやからな」
その特技故にというのだ。
「仕事は多いけどな」
「こっちのお仕事もすぐに済むね」
「そや、事務仕事もな」
これもというのだ。
「的確、迅速に出来んとな」
「勢力は動かへんわ」
「最初からそやったな」
この世界に来て勢力を旗揚げしてからというのだ。
「ほんまな」
「こうしたお仕事もあって」
「してきたわ」
「ずっとな」
「むしろ戦よりもな」
「政してるな」
「それも遥かに」
二人で笑って話した。
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