星河の覇皇
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第八十七部第四章 首相官邸にてその七十九
「それは何故かというとな」
「現場を知らないからですね」
「実際のそれを」
「中に入って知らないので」
「それで、ですね」
「かえってチームを弱めてしまいますね」
「彼はそれがわかっている」
八条、彼はというのだ。
「そしてだ」
「戦術や戦略にはですね」
「一切介入せず」
「軍人に任せていますね」
「信頼して」
「そしてだ」
それでというのだ。
「彼等が満足に動ける様に手配している」
「政策として」
「全て整えていますね」
「あの方は」
「だからいいですね」
「そこもいい、現場への介入はな」
くれぐれもというのだ。
「するべきでない」
「スポーツチームもそうで」
「軍も同じですね」
「文民統制は確かに文民が軍を動かしますが」
「現場に介入していいものではありませんね」
「手本は幾らでもある」
それこそというのだ。
「連合にはな」
「弱くなったチームですね」
「フロントがおかしなことをして」
「そうしたチームがですね」
「いい手本ですね」
「応援しているチームがそうなるとな」
まさにというのだ。
「よくわかる」
「フロントが下手なことをして」
「それでチームが弱くなりますと」
「応援しているチームがそうなりますと」
「確かによくわかりますね」
「その時は」
「私もあった」
そうしたことがというのだ、アッチャラーンはここではそのスポーツのことを思い出してそのうえで述べた。
「三十代の頃キングバンコクがな」
「タイのサッカーチームでしたね」
「何度もタイのサッカーリーグで優勝していますね」
「長い歴史も誇りますし」
「いいチームですね」
「そのチームが私が三十代の頃はな」
その頃はというのだ。
「リーグ最下位に何度もなった」
「そうした時期もあったのですか」
「タイのサッカーでも屈指の強豪ですが」
「そうした時代があったのですか」
「暗黒時代が」
「そうだった、そしてな」
アッチャラーンはさらに話した。
「何故そうなったか」
「フロントですね」
「フロントの介入ですね」
「それによってですね」
「そうだった」
まさにというのだ。
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