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ハッピークローバー

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第百五十一話 お気に召すままその三

「キリスト教だってそうだしイスラム教なんて」
「もっとわかりやすいわね」
「イスラムの教えを信じたらね」
「それでいいからね」
「もうね」
 それこそというのだ。
「イスラム教はね」
「物凄くわかりやすいわね」
「悪いことをしたら地獄に落ちて」
「他の宗教を信じてもね」
「そうなって。天国に行くには」
「イスラム教を信じたらいい」
「その教えを出来るだけ守ってね」
 そうしてというのだ。
「そうしたらいいから」
「わかりやすいわね」
「物凄くわかりやすいから」
 それ故にというのだ。
「イスラム教もあっという間にね」
「広まったわね」
「島根の人に聞いたら」
 この県生まれの友人にというのだ。
「竹下さんって政治家さんいたけれど」
「総理大臣だった」
「国会では言葉尻掴ませない為にね」
 その為にというのだ。
「わざと難しい言葉使ってたけれど」
「普段はわかりやすかったのね」
「講演なんかね」
 それを行うと、というのだ。
「わかりやすかったそうだよ」
「そうだったの」
「だから普通にね」
「政治家に慣れたのね」
「選挙演説でもね」
 それでもというのだ。
「そうだったらしいし」
「政治家さんの言葉もわかりやすくね」
「そう、何でも下手に難しい言葉使わずに」
 そうしてというのだ。
「わかりやすい」
「それが大事よね」
「だから舞台でも何でもね」
「わかりやすくよね」
「自分の作品がわからない人に未熟者とか言ったら」
 そうすればというのだ。
「その時点でね」
「あんた何様よ、よね」
「ネットの端っこで創作していてね」
「そんなこと言ったらね」
「小さくてね」
 そうであってというのだ。
「どうにもならないよ」
「そこまでいくわね」
「やっぱりね」
 何と言ってもとだ、伊東はさらに話した。
「わかりやすい」
「これが第一ね」
「小難しい文章は凄くないんだよ」
「実は何でもないものね」
「何でも小林秀雄の文章は」
 昭和を代表するこの思想家はというのだ。 
「或る程度の教養があればわかりやすいらしいよ」
「教養ね」
「うん、けれどもうね」
「何を書いているかわからない」
「小難しい文書の羅列とかだとね」
 そうであるならというのだ。
「別に読まなくてもね」
「いいのね」
「難しいだけで」
 ただそれだけでというのだ。 
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