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第百五十一話 お気に召すままその一
第百五十一話 お気に召すまま
留奈は休憩時間伊東と共に舞台を観に行った、舞台は演劇部のお気に召すままであったがそこでだ。
伊東は留奈にだ、観客席に並んで座りつつ話した。
「何年か前英会話部が原語でシェークスピアやったらしいんだ」
「あそこらしいわね」
留奈はすぐにこう返した。
「もう如何にもね」
「英会話だよね」
「そうよね」
「何でも当時の部員の人でこだわりの強い人がいて」
そうであってというのだ。
「やるのなら原語って言って」
「今の英語と違うのよね、当時の英語って」
「それでやったらね」
そうすると、というのだ。
「英会話部でも何かと難しくて」
「言うなら古典だしね」
「それで苦労して上演して」
「原語を勉強して」
「それでやっても英語圏の人にもわかりにくくて」
そうであってというのだ。
「今一つだったらしいんだ」
「成程ね」
「それでこだわった人も反省して」
そうなりというのだ。
「もう二度とね」
「そうしたこと言わなくなったのね」
「そうなんだ、今その人大学の英文学科におられるらしいよ」
「うちの大学の」
「それであの時は失敗だった、こだわり過ぎてもいいことないって」
「言っておられるの」
「反省されたんだって」
その人はというのだ。
「そのことから
「失敗から学ばれたのね」
「物凄く真面目な人で」
「こだわられたのね」
「そうだったらしいけれど」
「真面目過ぎてこだわり過ぎてもね」
留奈はそれでもと言った。
「よくないってことね」
「皆が練習しやすくて観ている人にも理解してもらいやすい」
「そうした風じゃないとね」
「何でもね」
それこそというのだ。
「わかりやすくないと」
「そうそう、駄目よね」
「だから演劇部はね」
今から上演する彼等はというのだ。
「基本日本語でやるんだよね」
「日本の学校の部活だし」
「皆日本語で勉強して日本語の中にいるから」
「日本語わかるわね」
「だからね」
そうした環境の中で上演するからだというのだ。
「日本語で上演しているんだ」
「そういうことね」
「その場所でわかりやすい」
「そうでないと駄目よね」
「授業下手でわかりにくい先生なんか」
こうした教師が全く成長せず教壇に立ち続ける、そもそも生徒に理解してもらおうとも思わず自己満足で授業を行っていたりする。こうした教師が何の指導も改善もなされずそのまま税金で給料を貰っているのが日本の教育の実態である。日本の公立学校は税金で成長する気もない無能を養っているのだ。
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