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神々の塔

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第九十二話 最上階その五

「そして力はな」
「この世界を救うだけの」
「実はここに来るまでの冒険でだ」
「戦を経てきて」
「その中でだ」
 まさにというのだ。
「備わってきた」
「そうですね」
「力は己で試練を乗り越えてだ」
 そうしてというのだ。
「そのうえで身に着けるものだ」
「自分で、ですね」
「力は与えられるものではなく」
「自分で手に入れるものですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「それでこの塔を踏破するとだ」
「物凄い多くの試練を乗り越えてきたんで」
「その力はな」
 得たそれはというのだ。
「かなりのものだ」
「そうですか」
「塔を登らなくてもな」
 素戔嗚尊はそれでもと話した。
「お主達の仲間はわし等と戦ったな」
「はい、召喚させてもらって」
「そうして試練を乗り越えたな」
「どの子もそうしました」
「そして力を得てだ」
 そのうえでというのだ。
「新たな神具も手に入れたな」
「そうなってです」
 羅が答えた。
「全員さらに強うなりました」
「そうだな、神具はそれを持つに相応しい力を得ればな」
 そうすればというのだ。
「与えられるものだ」
「さらにですね」
「そうだ、それで主達と戦った者達も新たな神具を得たのだ」
 枢軸の星の者達もというのだ、一行はサマルカンド前での決戦でその彼等に大きく後れを取ったことを忘れていない。
「それに相応しいまでの力を得たからな」
「それ故に」
「そして主達も同じ」
 力を得たことはというのだ。
「それぞれ新たな神具も得られる」
「力を得ただけやなくて」
「これからな、この世界を一つにした者は神具は得なかったが」
 それでもというのだ。
「この世界を統一し土台を固めるまでの寿命とだ」
「それとですか」
「世界を治め豊かにする為の全ての知識をだ」
 そういったものをというのだ。
「得てだ」
「世界を一つにして」
「栄えさせたのだ」
「そうでしたか」
「人を見抜く目もな」
 それもというのだ。
「そうしてだ」
「この世界の土台を築いたんですね」
「そうなのだ」
「何かです」
 今度は施が言った。
「この世界は元は一つだった」
「そのことはわかるな」
「はい、貨幣や度量衡が一つなので」
 だからだというのだ。 
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