| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八十七部第四章 首相官邸にてその六十五

「楽しめた」
「左様ですね」
「実はそうでしたね」
「奴隷でも趣味を楽しむ時間はありました」
「それなりに」
「それは機械だ」
 仕事と睡眠だけしか時間がないならというのだ。
「最早な」
「奴隷ですら遊びますし」
「野生の獣にしろそうですね」
「ペットもです」
「おもちゃがあれば遊びます」
「そうするからな」
 それ故にというのだ。
「最早な」
「仕事と睡眠だけでは」
「そして食事もありますが」
「それでもそうしたことだけなら」
「機械ですね」
「人は機械ではない」
 間違ってとだ、アッチャラーンは断言した。
「そうだな」
「左様です」
「それはその通りです」
「人は機械ではないです」
「断じて」
「そして機械にもなれない、機械の様な者と言われることもあるが」
 あまりにも無機質であったり感情を見せなかったりしてだ、他には完璧な仕事ぶりからそう言われるケースもある。
「しかしな」
「それでもですね」
「機械ではないですね」
「人間ですね」
「このことはな」
 どうしてもというのだ。
「そうだ、人間は感情がある」
「そうですね」
「人間は機械ではないことは誰でもです」
「機械の様だと言われても」
「機械ではないですね」
「絶対に」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「機械にはな」
「誰もなれない」
「左様ですね」
「そしてそのことを忘れないことですね」
「絶対に」
「そうだ、だから趣味はだ」
 人間ならというのだ。
「ありそして遊ぶこともだ」
「しますね」
「そうした時間を持っていますね」
「人間ならば」
「絶対に趣味を持たない人間は存在しない」
 人間ならというのだ。
「自分で特にないと言ってもな」
「そして遊ばない時もない」
「本人がそう言っても」
「やはり遊びますね」
「そうする、だからだ」
 それ故にというのだ。
「そこにやはり隙が出来てな」
「狙える」
「誰に対しても」
「そうしたものですね」
「機械でないからな」
 またこう言った。
「人間は」
「仕事と睡眠だけでない」
「決して」
「遊び趣味も持つ」
「そうした存在であり」
「遊びの時間こそですね」
「狙い目ですね」
「そういうことだ」
 刺客を送るそれはというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧