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彼は いつから私の彼氏?

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7-4

 次の日の朝、学校に行く時、駅で翔琉が・・・

「何で居るの?」

「何でって お前に逢いに来たに決まってるヤン」

「・・・あー もう 電車来るの あのね 帰り3時に・・・いい  かしら・・・」

「わかった」

 その日の練習中で石切コーチが私達ペァが香と若葉を相手にしているのを見ていたかと思うと

「花梨と若葉 ちょっと 入れ替わってみて」

「えっ ・・・ はい・・・」と、花梨は不思議そうな顔だったんだけど、入れ替わってしばらく練習を続けたのだ。若葉はバックハンドが得意で、私の放ったスマッシュを花梨が返してきても、もう一度同じコースに若葉は正確に返していくのだ。当然、香には対応することができないのだ。しばらく、そのまま練習していたのだけど

「わかった もう もとに戻って、続けなさい あなた達 シングルの練習もしときなさいよネ 今年は 主力になるんだからね」

 帰り道に4人でお好み焼き屋さんに寄って、今日のことを話合っていたんだけど

「なんやったんやろー 今日のペァのこと 気になるなー」と、花梨が切り出した。

「まぁ 試してみたかったんちゃう 若葉と水澄の相性」と、香が言うと

「なんで 試さなあかんのん? ウチと水澄は最強やでー」

「コーチは全中制覇を狙ってるんやでー 去年のリベンヂ 多分 先を見てるんや 去年の決勝 山手丘学園にこてんぱやったやんかー とくに秋元蓮花に 団体戦も個人戦もやられたやんかー」と、私が言うと

「そーやったな ウチも見てて悔しかった」

「秋元蓮花は今年3年 出て来るよ それに、去年1年の見沼川七菜香 ことしは、どんだけ強おーなってるかわからへんやんかー」

「そう ウチもビデオ見たんやけど あの二人は強かったわー あん時の3年はもう居らへんやろけど、今年もどんな1年生が出て来るかわからへんでー」

「若菜 ビビらさんとってーなー ウチ等も強ぉーなってるって!」

「あのね ウチの考えてたこと ゆうてええかぁ?」

「なんやの? 若葉は 冷静で理論で分析するからなー でも 聞きたい」私達3人は、その時、真剣に若葉の言うことに耳を傾けていた。

「いい? 今のウチのチームの個人の実力では、燕先輩、美麗先輩、花梨の3人が抜きんでているの それは、皆も認めるでしょ?」

「うん」

「だけど その中で花梨は伸びしろがまだまだあるのよ それは、コーチも考えてると思うのよー もちろん 花梨次第だけど」

「うん ウチはもっと上を目指している」

「そう 花梨はね 小学校の時からすごかったの ウチも知ってた。どんどん打ち込んでネ 突き刺さるようなスマッシュ 敵わないと思ってた。だから、ウチは本当は今の監督から、太子女学園でやってみないかと声を掛けられていたの。ウチももっと強くなりたいし、花梨をそのうち追い抜きたいと思ってたから・・・だけど、入学したら花梨が居るじゃぁない あん時、ガックリしたわ 多分、花梨も声を掛けられていたのね?」

「うん ・・・ 頂点に立ちたいのならウチに来ないかと・・・」 

「だからね ウチは花梨とはタイプの違うとこで対抗しようとしたのよ それでも、花梨はすごいよー コーチも花梨をエースにって思っているんじゃぁないのかなー それで、シングルに専念しなさいって」

「えぇー だって ウチは水澄と・・・最強の・・・」

「だけど、山手丘の秋元蓮花を打ち負かすのは花梨しか居ないと・・・燕先輩は去年 太刀打ち出来なかったわ」

「だけど・・・あの人は・・・ウチなんかとは・・・」

「花梨! トップに立つってのは嘘なの! 花梨なら頑張れるじゃぁない!」

「うん まぁー でも ダブルスは?」

「それで コーチは 迷ってるのだろうけど ウチと水澄なのよ だけど、ウチ等も最強になれる自信はあるワ 今日 組んでみてわかった 相性も良いのよー」

「悔しいけど なのかなぁー 水澄はどうだった?」

「えぇー 私は わからない でも 若葉となら 違うパターンなのかなって」

「ウチも思ってた 花梨は無理してるなーって 水澄と組んで・・・ だけど、シングルなら、もっと 思い切っていけるはずよ 水澄だって 違う面が出るのになぁーって」と、香も言っていた。

「あのね コーチは個人のことはあんまり考えてないのよ 太子女学園の名前を売るのは団体なの 秋元蓮花に花梨をぶつけて1勝でしょ 燕先輩に見沼川七菜香をぶつけて2勝目 ウチらダブルスも頑張るから3勝目 去年のリベンヂが監督とコーチのストーリーよ 誰かが取りこぼしても、美麗先輩、香で取れるわよー」

「若葉 すごいね コーチの考え わかってるの?」

「まぁ 何となくネ だけど、ウチと水澄も頑張るワ 香もネ! 今は、5・6番目は朝咲先輩、美雪先輩、香なのよ 今年、入って来る後輩も居るかも知れない その中で香が頑張って、代表になるのよ!」

「えぇー ウチ?」

「そうヨ! ウチ等4人が太子女学園を引っ張って行くの! だって 仲間じゃぁない!」

「わかった!」と、皆の声が揃って

「花梨 わかってくれた? だから、仮りにコーチからペァから外れるようにって、話があっても すねないでネ 花梨は個人でも団体でもトップを目指して欲しい 花梨なら山手丘を倒せるわ」

「わかった こころしておく」

「まぁ その前に当面の敵 7月の大阪予選の二色が浜よ」

「ウン それまで しっかり練習して 圧倒するわよ!」と、若葉の言葉で4人の結束は強まったようだった。

 帰りを急いだんだけど、駅についた時には、約束より30分も過ぎていたのだけど、翔琉の顔が見えて、怒っている風でも無かったのだ。

「ごめぇ~ん 待ったよネ」

「いいんだよ 水澄が頑張ってるの 智子から聞いているから」

「ごめん 仲間と話してて 遅れたの」

「仲間・・・クラブの連中か?」

「うん 1年生の仲の良い 4人」

「あぁー いつかの大会の時の4人?」

「そう あの時 応援に来てくれてありがとう あのね 花梨っていう子が応援の声で元気出たって言ってたよ」

「そうか それは良かった 智子が水澄の相棒だから応援しようよってな でも 良かったよ 水澄に新しい仲間が出来て、元気そうだから 水澄は誰にでも好かれるんだものなー」

 私の帰り道を送ってくれて、途中 マンションの前の公園で二人で並んでブランコに乗りながら

「水澄 違う学校になったけど、お前は頑張って 今 輝いているよな やっぱり 俺にはすごく好い女なんだよ 目標もあるんだろう? 智子に聞いた。だから 逢えなくても 応援しているよ 俺も頑張る 水澄に負けないようにな 他の2人もそうだ 学校は違っても 仲間には違いない」

「ありがとう 翔琉達が居ると思うと心強い」

「それと 俺の中では 水澄が一番なんだよ! 他の女の子なんて比べ者にならない    俺のことは忘れてくれても良い 今は卓球に打ち込め 逢えなくても 水澄が好きだ」 

「・・・ 翔琉 有難う 私も・・・大好き」

 そして、家の前まで送ってきてくれて、私は辺りに人が居ないのを確かめて

「ねぇ 誰も居ないよ」と・・・私が、バッグを下に置くと。翔琉もわかってくれたのか、お互いにしっかりと抱き合って唇を合わせていたのだ。  


 
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