星河の覇皇
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第八十七部第四章 首相官邸にてその六十一
「用を足している時寝ている時にだ」
「食事の時ですね」
「その三つの時ですね」
「だから野生の獣の用足しは基本早い」
それが最も無防備になる時だからである、こうした時に狙われるとひとたまりもないことを本能的に知っているのだ。
「縄張りにも使うがな」
「マーキングですね」
「その為にも使いますね」
「そうしますね」
「だがそれは短い、人と比べるとだ」
それこそというのだ。
「一瞬だ」
「左様ですね」
「一瞬で用を足して」
「そして終えますね」
「そうしたものですね」
「人も同じだが人は社会的な行動を行い文明を持っている」
そうした生きものでというのだ。
「仕事の時は緊張してな」
「プライベートや遊びの時はですね」
「落ち着いていますね」
「非常にくつろいでいますね」
「特に遊びの時はそれに熱中していてだ」
それぞれの趣味だったりする、人は趣味を持つ生きものでもありそれに集中し情熱を傾ける一面もあるのだ。
「そればかり見てな」
「周りが見えなくなる」
「それこそ横や後ろに」
「そうなりますね」
「そしてそうした時こそだ」
まさにというのだ。
「刺客が動く時だ」
「そこで後ろから撃つ」
「そうすればですね」
「容易にことを為せますね」
「私は暗殺は行わない」
これは一度もなかった、アッチャラーンは確かに謀略家であるがこの謀略は一度も使ったことがないのだ。
「連合全体でも殆どないな」
「左様ですね」
「確かに謀略が非常に多いですが」
「その中で」
周りもそうだと答えた。
「陰謀渦巻くとも言われています」
「三百以上の各国政府間でもそうで」
「中央政府ともそうで」
「そしてそれぞれの政府の中で」
「まさに様々な謀略が常に使われているが」
しかしというのだ。
「それでもな」
「その謀略は非常に少ないですね」
「暗殺は」
「買収や暴露や脅迫はあっても」
「それでも」
「一つの面で敵であっても別の面では味方であったりだ」
アッチャラーンは確かな顔で述べた。
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