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八条学園騒動記

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第七百七十七話 不潔な入浴その九

「サウナの国でもね」
「カップルだと一緒に入るの」
「ただサウナは湯舟より暑いから」
 その為にというのだ。
「いやらしいことはね」
「しない方がいいわね」
「サウナの中で身体動かすのは」
 そうした行為はというと。
「自殺行為だから」
「それよく言われるわね」
 アロアも言ってきた。
「サウナの中では身体を動かさない」
「汗かき過ぎるしね」
「血流もよね」
「激しくなり過ぎるから」
「しないことね」
「あとお酒飲んでもね」
 アンネットはその場合のことも話した。
「入ったら駄目だけれど」
「ロシアでそれはないでしょ」
「誰もが朝から飲む国だから」 
 それでというのだ。
「お仕事の合間に飲んで」
「お水みたいに飲んで」
「そんなお国柄だから」
「あんたも普通に飲むしね」
「もうね」
 それこそというのだ。
「お酒飲んで入るのはね」
「ロシアじゃ普通よね」
「あんまりにも泥酔してなかったら」
 そうであったならというのだ。
「いいのよ」
「ロシアだと」
「そうなのよ、帝政ロシアでもソ連でもね」
 如何なる政治体制であってもというのだ。
「お酒を飲むなとはね」
「言わなかったのね」
「飲むことを制限したり飲むなと言ったら」 
「政権潰れるとか」
「そうよ」
 実際にというのだ。
「本当にそうなるお国柄だから」
「サウナに入るのもなのね」
「飲んでもね」
 そうしてもというのだ。
「いいのよ」
「そうなのよ」
「本当はね」
 彰子はこう言った。
「お酒飲むとね」
「お風呂は駄目よね」
「そうよ」
 それはというのだ。
「心臓に悪いから」
「そうよね、ロシアでもわかってるけれど」
「いつも飲んでるお国だから」
「だからね」 
 その為にというのだ。
「そうしたことはね」
「言っても意味ないのね」
「スターリンもお酒を飲むなとは言わなかったのよ」 
 恐怖政治を敷き多くの命を奪ったこの独裁者でもというのだ、尚彼も女性の話があまりなかったりする。
「むしろ自分も飲んでいたい」
「そうだったの」
「建物と外の温度差の分だけ飲ませたりね」
 例えば五度だと五杯だった。 
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