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星河の覇皇

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第八十七部第四章 首相官邸にてその五十四

「各国政府にもいるな」
「すぐに何人か思い浮かびます」
「それもそれぞれの政府の要職に就いています」
「その立場から仕掛けてくることが予想されます」
「事実仕掛けられてもきています」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「我々はな」
「実にですね」
「我々もですね」
「気をつけるべきですね」
「伊東首相以外の人物についても」
「そういうことだ、伊東首相は確かに狐だ」
 九尾の狐だと言われているというのだ、連合きっての謀略家である彼女はアッチャラーンから見てもそうであることは事実だ。
 しかしだ、それだけではないというのだ。
「しかしな」
「狐は他にもいますね」
「連合には」
「それが九尾の狐でなくても」
「それでもですね」
「だからだ」
 それでというのだ。
「我々も注意することだ」
「仕掛けるなら仕掛けられる」
「それが政治の世界ですね」
「左様ですね」
「だからですね」
「そうだ、こちらはガードを固めることだ」
 策略に対するそれをというのだ。
「いいな、諸君もだ」
「はい、仕掛けられることにはですね」
「注意しておくことですね」
「あらゆる謀略に対して」
「そうすべきですね」
「盗聴もある」
 これもというのだ。
「普通にな」
「何時の間にか家に潜入されていることもありますし」
「仕事場にもということもありますね」
「机やゴミ箱の裏に仕掛けられていたり」
「巧妙に仕掛けてきていますね」
「盗聴は基本中の基本だ」
 謀略のそれだというのだ。
「情報収集だからな」
「左様ですね」
「フーバーの例もあります」
「古い話ですが」
「単純でオーソドックスだが」 
 盗聴はというのだ、この時代も存在しているアメリカのFBI初代長官を務めていたフーバーは盗聴を使うことによって多くの情報それも現職の大統領のスキャンダルまで掴んでそのうえで権力を維持してきたのだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「非常に効果がありますね」
「相手の弱みを握るだけでも」
「それだけでも」
「部屋は常にチェックしておくことだ」
 盗聴を警戒する為にというのだ。 
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