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金木犀の許嫁

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第四十三話 百貨店その十二

「もうね」
「そういうことね」
「言葉も出さないといいのよ」
「思ったことを」
「それならね」
 こう言うのだった。
「言霊ってあるけれど」
「言葉が現実のものになるのよね」
「そうした考えもあるしね」
「世の中には」
「今残ってるのは日本だけらしいけれど」
 それでもというのだ。
「そうした考えもあるし」
「言わなかったらいいのね」
「思ってもね。そうした時あるでしょ」
「ええ」
 夜空はまさにと答えた。
「確かにあるわね」
「それと同じでね」
 それでというのだ。
「言わなかったらいいし実行に移さないとね」
「いいのね」
「頭の中でどれだけいやらしい想像してもね」
「私達で」
「誰を対象にしてもね」
「それならいいのね」
「気にしないでね」 
 そのうえでというのだ。
「それでいいのよ」
「そうなのね」
「水着を着ても。体育の授業に出ても極論すればね」
「制服着て学校に来ても」
「うちの学校の制服色々種類あるけれど」
「スカートどれも短いわね」
「ズボンもあるけれど」
 スラックスタイプの制服を女生徒も着られるがというのだ。
「けれど殆ど誰も穿かないでしょ」
「スカートよね」
「物凄く戒律が厳しい宗教の国でもないとね」
「イスラムの娘達でもね」
「ブルカ巻くことはあってもね」
「ヴェールの娘はいないし」
「スカートの娘ばかりでしょ」
 世界中から生徒が集まっている自分達の学校でもというのだ。
「しかもどの制服でも丈が短くてね」
「ミニだから」
「それでね」
 そうであるからだというのだ。
「もうね」
「制服を着ても見られるから」
「ちょっと動いたらね」
「スカートがひらりってなるから」
「見られることもあるし」
「意識しないうちに」
「それで見られたら」
 そうなればというのだ。
「そこからね」
「想像されて使われることもあるわね」
「だからもうね」
「考えないことね」
「逆に同性愛でも考えないで」
「何もしないなら」
「その方がね」
 かえってというのだ。
「おかしいわよ」
「そうなるわね」
「だからね」
 それでというのだ。
「もうこうしたことはね」
「意識しないことね」
「そしてね」
「暮らしていくことね」
「女の子も想像して使うし」
「お互い様でもあるし」
「もう考えない、水着はお洒落でもあるから」
 だからだというのだ。
「もうね」
「いいのね」
「見られてもね」
 それでもというのだ。
「いいのよ」
「そう考えることね」
「世の中ね」
 それこそというのだ。
「あれこれとあってね」
「そうしたことは考えない」
「そうすることよ。いいか悪いかじゃなくて」
「また別のことね」
「そう、理屈じゃなくて考えても仕方ない」
「世の中そうしたこともあるってことね」
「そうよ、じゃあ次はね」
 真昼は妹に笑顔で話した。
「屋上行きましょう」
「ええ、お勘定の後は」
「底でお昼にしましょう」
 真昼はこの時も笑っていた、そうしてだった。
 水着を買って勘定を済ませてだった、三人は屋上に向かった。そのうえで今度は昼食を楽しむのだった。


第四十三話   完


                     2024・9・23 
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