金木犀の許嫁
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第四十三話 百貨店その九
「これならね」
「いいのね」
「うん、そうするわ」
「それじゃあね。三人共ビキニになるわね」
真昼は笑顔で言った。
「私もビキニだしね」
「白地に向日葵柄の」
「白華ちゃんもそうだし」
「ビキニで揃ったわね」
「昔はね」
真昼はこうも言った。
「アイドルの人もグラビアでビキニになるとね」
「今じゃ普通よね」
「けれど昔は大胆だったのよ」
「そうだったのね」
「露出が多いからね」
肌のそれがというのだ。
「それでだったのよ」
「そうだったのね」
「それでね」
真昼はさらに話した。
「ワンピースの水着がね」
「多かったの」
「それでそのワンピースも体形がね」
「あまり出なかったの」
「今のワンピースよりもね」
そうだったというのだ。
「身体にフィットしてなくて」
「今よりも」
「そうした風だったの」
「昔はそうだったのね」
「けれど今はね」
真昼はあらためて話した。
「ビキニは女子高生でもね」
「普通なのね」
「大胆じゃなくて」
「かえって体形が目立たない」
「いい水着よ。ただね」
真昼は笑ってこうも言った。
「水着姿誰かに見られても」
「まず見られるわね」
「見ず知らずにね」
「それは避けられないわね」
「そう、けれどね」
それでもというのだ。
「気にしないことよ」
「見られても」
「水着姿を見られることは」
このことはというと。
「どういうことか」
「言うまでもないわね」
「アイドルの人達もね」
「水着になるわね」
「グラビアのお仕事は必須でしょ」
アイドルにとってはというのだ。
「そこで水着、もっと言えば下着になるけれど何故なるか」
「それはもう」
「わかるでしょ」
「ええ」
一言でだ、夜空は答えた。
「見られてね」
「男の子達にね」
「それで男の子達がどうするか」
「言うまでもないわね」
「私達もね」
「そうされるかも知れないのね」
「そう、けれどね」
それでもというのだ。
「もう気にしない」
「そうしたことは」
「全くね」
そうだというのだ。
「そうしてね」
「気にしてもなのね」
「そうよ、極論すればクラスの男の子もよ」
彼等もというのだ。
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