彼は いつから私の彼氏?
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第7章
7-1
年が明けて元旦の日。お昼頃、智子からラインで連絡があって (何してる? 暇だったら 遊びに行って良い?) 私は (別に何にもしてない 晩ご飯のちらし寿司の下ごしらえをお母さんから頼まれているから そろそろと思ってた) それでも (これから行くネ) と、強引に
しばらくして智子がやって来て、ダウンを脱ぐと今日はチャコールグレーのミニのワンピースで前ボタンになっていて、ウェストのところがリボンベルトで少し横にずらして結んでいた。お父さんがソファーで寝そべってTVを見ながらお酒を飲んでいるリビングに招き入れると、慌てて起き上がって
「あっ あ えーと・・・」名前が出てこなかったみたい。
「こんにちわ 小泉智子です」
「あっ そうそう 小学校から仲よくしてもらってね 智子ちゃんだったね」
「そうです ず~と 仲良く」
「まぁ どうぞ」と、言いながらお父さんは隣の椅子に移っていて、ふぐの味醂干しを智子に勧めていた。
「お父さん! お酒飲むんじゃぁ無いからー」
「いや さっき 水澄に炙ってもらって うまいから・・・」
私は、アンリのお菓子の詰め合わせ缶を出して「待ってね 今 紅茶入れるから」
「今 女の子間では、流行ってるのかー? その髪の毛」
「あっ ちゃいますよー お父様 ウチはサッカーで達樹先輩と一緒のー だから、男の子にバカにされんよーにー」
「・・・お父様? ? ? 達樹先輩なぁ・・・」
「お父さん! そやねん 智子は男の子に混じって頑張ってるんやー」
「そうかー なでしこジャパンかー それで 日焼けしていて健康的なんやなー でも、脚もすっとしていて、スタイルも良くって モデルさんみたいやなー」
「お父さん 酔っぱらって来てるのぉー 言い方 やーらしいない?」
「そんなことないよ 見たまんまのこと言うのが 何が悪い? 好いもんは好いんじゃー」
「お父様 嬉しいです 褒めてもらえてるみたいでー」
「・・・その お父様って なんじゃ・・・」
「あっ ウチ お父さん居ないから・・・」
その後、お父さんは昔 ハイジャンプをしていたとかで、自慢げに その話を智子相手にしていた。私は、お父さんの相手を智子に任せて、夕ご飯のちらし寿司の下ごしらえに取り掛かっていたのだ。戻した椎茸と焼き穴子に人参、油揚げを刻んで、味付けをしてコトコトと煮るんだけど、お母さんに教わったレシピ通りに。
一通り、仕込みも終えるとお父さんは
「いゃ こーやって水澄と顔を合わせるのも1ト月ぶりぐらいなんだよー いつも、すれ違いでな でも 本当のところは 我が娘ながら、水澄を見るのが眩しくてなー」
「そんなー ウチ お邪魔だったかしらー」
でも、お父さんは、少し昼寝すると言って、こもってしまったのだけど、入れ替わりにお兄ちゃんが降りて来て
「おぉ 智子 来てたのか ・・・水澄 なんか 食べるもんないか?」
「うーん 冷凍の豚まん」
「それでいいやー 温めてくれ」
「お兄ちゃん! この頃 私に何でも言いつけない? 自分でやればぁー」
「まぁ そ~いうなよー せっかく 俺の可愛い後輩が来てるんだからー お相手しなきゃーな」
「先輩! 可愛いですかぁ? ウチ」
「あぁ その服も 似合っているよ」
「勝手にせぇー 智子 お兄ちゃんの相手しててネ!」と、私は まぁ しょーがない 智子も嬉しそーなんだからー 智子の声がさっきまでと違って、はずんでいるのも気になりながら、豚まんを冷凍庫から取り出していた。
お兄ちゃんは食べ終わると「智子 ゆっくりしていくんだろう? 晩飯も食べていけよ」と、2階に上っていった。
「水澄 食べてってもかめへんのかなー」
「うん 食べていきなよー ちらし寿司やでぇー その代わり これから卵焼いて、ご飯にこれ混ぜるから、手伝うんやで」
「わかったー 水澄 いつも こーやって 料理してるん?」
「お母さん 働いてるやろー 私の学費とか、クラブの費用 稼いでくれてるから たいがい晩御飯は私の役目なんやー」
「そうなんや 水澄はえらいネ 勉強にクラブに家事手伝い ウチも見習わなあかんなー」
「それはええけど さっき お兄ちゃんの横で脚を組み替えたりしてぇー 見せよーとしてたやろー?」
「えへっ ばれたか」
「わかったわー! ピンクに刺繍ついたのん チラチラさせてるんやものー」
「うふっ 可愛いやろー?」
「あのなー お兄ちゃんをそんなんで誘惑せんとってー 受験もあるんやからぁー」
「ちょっとくらい 気晴らししてもええヤン 水澄みたいに裸見せるんちゃうでー」
「智子 それは内緒やゆうたやろー それに、私のお兄ちゃんは、そんなことで気晴らししません! あんまり そんな風に迫ると嫌われるでー お兄ちゃんは清純派なんやからー」
「あっ そう 清純ねぇー 広瀬すずとか?」
「ちょっと違うと思う もっと 品がある」
「誰よー それ!」
「わかんない イメージだけ 内田有紀さんの若いころの溌剌として無垢なような感じかなー そーいえば智子も イメージ似ているのかなー」
「えぇー ウチ? 似てるの? うふっ 先輩の好みねぇー」
智子も居るので、お母さんはまだ帰ってきてないけど、早い目に用意をして、お父さんとお兄ちゃんを呼んで、4人でちらし寿司を食べることにして、お皿に盛り付けて卵、海苔と鯛、イカ、いくらで飾って、私はジュンサイのお吸い物を作っていた。
「うまいなぁー 水澄 母さんのより うまい!」
「お父さん 言い過ぎよ! まだ 酔ってるの?」
「水澄 おいしいよ 本当に ウチ こんなの初めて このお吸い物も」
「そう ありがとう 智子の口に合って良かったぁー」
食べ終わって、お茶を飲んでいる時に
「お兄ちゃん 智子を送って行ってね」
「へっ 何で 俺がー」
「当り前やんかー 君の可愛い後輩が 襲われたら 責任取れるん?」
「何で 俺が責任とるねん」と、ぶつぶつ言いながらも二人で出て行ったのだ。
その間にお母さんも帰って来て、お寿司を食べて
「水澄 美味しいわー あなた 言ったとおりに作ってくれたのね おいしいぃー」
「お母さんが ちゃんと教えていてくれたから・・・」
「水澄 あなたは本当に良くできた良い子よねー ねぇ お父さん?」
だけど、お父さんはお酒を又、飲んでいたのでソファーに横になって、もう寝てしまっていたのだ。
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