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星河の覇皇

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第八十七部第四章 首相官邸にてその四十七

「深くです」
「お考えですか」
「今の職務に専念しながらも」
 そのうえでというのだ。
「考える時もあります」
「そうなのですね」
「韓国以外からもお誘いがありまして」
 実はとだ、金は小柳にこのことも話した。
「今の職務を終えれば」
「その時はですね」
「暫くの間ですが」
「お考えになって」
「そうしてです」 
「決められますか」
「そうするかと」
 こう小柳に話した。
「あくまで今後のことですが」
「まだわからない」
「人生三年先は闇といいますね」
「そうですね、もっと言えば明日のこともわからない」
「はい、人間の一生程わからないものはない」
「そうしたものですね」
「ですからあくまで今後です」
 今の職務の後のことはというのだ。
「そのことは。今のことでなく先の自分の就職まで考えるのはよくないでしょうが」
「それは人としてです」
「あることですか」
「はい、誰でも」
 まさにというのだ。
「そうかと」
「そうですか」
「考える時があります」
 今の仕事の後の就職先のことはというのだ。
「人は確かに明日のこともわかりませんが」
「先を考えることもですね」
「あります、そして」
 小柳は明るい顔になって話した。
「それは考える分にはです」
「いいですか」
「考えても迂闊に話さなければ」
 それでというのだ。
「いいかと」
「そうしたものですか」
「人は何かと考えてしまします」
「それは人の性ですね」
「そうです、人には脳というものがあり」
「脳は思考も役割です」 
 金はその脳について深く考えつつ述べた、その他にも人体を動かす様々な役割があるが思考はその中で最も重要かつ有名なものである。
「ですから何もなくとも」
「考えてしまいますね」
「はい」
 小柳に対して答えた。
「考えるつもりはなくとも」
「ですから」
 それでというのだ。
「それはもうです」
「仕方ないですか」
「そうかと。そして大事なことは」
「迂闊にですね」
「言わないことで」
 誰彼なしにそうしないというのだ。
「別にです」
「考えること自体は構わない」
「そもそもよからぬ考えといいますが」
「それもですね」
「一度も考えない人がいるか」
 世の中にというのだ。 
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