彼は いつから私の彼氏?
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6-8
11月になって、試合当日の朝、花梨ちゃんと待ち合わせて近鉄に乗り換えて試合会場に向かった。前の日には、石切コーチから「いい? お互いを信じるのよ 自分勝手なことしないで 相棒を信じなさいよ!」と、念押しされてたのだ。花梨ちゃんは、ダブルスの他にもシングルでもエントリーをしていて試合の順番も詰まっていて、特に上に勝ち上がっていく程 ハードなのだ。
中学生以下のダブルスは8組しかエントリーが無くて、3回勝てば優勝なのだ。1回戦2回戦は難なく勝ち上がって、決勝は、全中の大阪府予選で太子女学園が決勝で争った二色が浜中学の2年生ペァだった。観覧席には、ガンバレ水澄の声が・・・あの3人組なのだ。私が、翔琉に漏らしたのを、聞いて駆けつけてくれているのだろうか・・・。その他にも香ちゃんと若葉ちゃんの姿もあった。
第1ゲームの途中まで順調に勝っていたのだが、そのうち打ち込んでも返されて、焦ってしまって、結局、第1ゲームを取られてしまっていた。
「水澄 ウチ等のコース 読まれてしまってるねー 次はふたりとも 逆のとこに打ち込んでいこー」
「だね うまく行くといいけどー」
「水澄 全中制覇の第一歩だよ うまく行かすんだよー」
次のゲームからは相手の意に反したのかペースが乱れ始めて、すんなり第2、3ゲームを連取して、最終ゲームも私達は自分の得意のコースに打ち込んでいって、お互いがその後もフォローして圧勝だった。観客席からも大きな声援が聞こえてきていたのだ。
二人で、喜ぶ間もなく花梨ちゃんはシングルの準決勝に向かって行った。そして、決勝の相手は二色が浜の進藤かがりさんなのだ。すると、観客席から (かりん ガンバレ)の大きな声が・・・あの3人組だ。
「お疲れ様ぁー 花梨 すごいね 2冠よー」
「う~ん 最後ちょっと 負けるかなーぁーって・・・ でも 応援聞こえたからー 水澄の応援団? ウチにも応援してくれていた・・・」
「あっ あー 私の小学校からの仲間やーぁ」
「仲間・・・」
「あの子等なぁー ダブルスの試合終わった後 帰ろうかと話していたんやけどー あの中の女の子がな アカン まだ 水澄の連れが頑張ってるヤン 応援しやなーぁって 皆を引き留めていたんやでー」と、若葉ちゃんが・・・。若葉ちゃんも香ちゃんも、終わった後、駆け付けてくれていたのだ。
「そうなん・・・だからー 応援の声が・・・」
「そーなんやんでー 私の仲間 苦しい時とか励ましてくれたり助け合うんやー」
「そう 水澄 仲間ってのが 居るんやー そやけど・・・何で ウチの応援までー」
「そらぁー 私の相棒ってわかってるしー 同じ仲間や思ってるんちゃうかー」
「水澄 羨ましいなぁー ウチは ず~っと 卓球ばっかーやったから そんなん 居らへん」
「そんなことないでー ここに4人 居るヤン 私等の練習の相手してくれてー 私等 仲間やー そらぁー クラブの皆も そーやけど この4人は特別やー 来年は この4人でクラブを引っ張って行って 全中のトップに行くんやろー 花梨がゆうてたヤン」
「そーやなー 水澄 ウチなぁー 初めて 打ち解ける友達が出来たよーな気がする 全中の前でもなー ウチ 練習相手って 水澄に恐る恐る声 掛けてみたんやー そーしたら 気軽にOKしてくれてー 感謝してるんやー」
「なに ゆーてんねん 気がするや無くてぇー 仲間 出来てるんやー あの時は花梨は1年生の代表やー 頑張ってもらわなーって思ってたんやー それに、若葉も香も 私等の練習に付き合ってくれてるヤン この4人は仲間なんやでー」
「そーやー ウチも 仲間なんて初めてやー」と、香ちゃんも若葉ちゃんも言っていて、手の平を皆で合わせていたのだ。
次の日、学校で石切コーチに報告したら
「あっ そう 当たり前じゃぁない 花梨 ちょっと もたもたしてたみたいね」
「あっ なんか 研究されてたみたいで・・・」
「そう 君達のデーターなんか あるわけないじゃぁ無い 1年なのよ 大会中で分析されたのよ でも 君達はなんとか対応したわ」
「そーなんですか? そんなこと・・・ コーチ 見に来てくださったんですか?」
「試合結果 聞けば どんな風だったのか だいたい予想つくの でも 花梨が何とか 対応するって思ってた 夏にウチのペァが苦戦した相手でしょ? 君達なら撃破できると思ったの でもね これからは、あなた達は大阪中の標的になるのよ 地方の大会だといっても No1なんだからね 特に 花梨はね 全中の時はノーマークだったけど、これからは違うわよ」」
「がんばります 水澄も居るしー」
「そーね あなた達が思ってたよりもうまく行ってるみたいで ホッとしているのよー ウチの学校にはすごい 後に続く選手達が居るのよって 一言 余計なことだけど・・・花梨も角が取れてきたみたいネ 水澄も頑張ったわネ 多分 向こうも水澄のスマシッユを初めて見た時は、面喰ったと思うワ 低い位置からコーナーに伸びてきて、それに、最近の水澄のスマッシユはバウンドした後、微妙に逃げて行くの 合わせるのが難しいわよー やっぱり 監督が言っていたように水澄は何かを持ってるわよー」
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