金木犀の許嫁
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第四十二話 プールその十二
「だからね」
「それでなのね」
「好き嫌いはね」
食べもののそれはというのだ。
「ちょっとね」
「言えないのね」
「そうよ」
「やっぱりそうした事情があるのね」
「好きな食べものはあってもいいけれど」
それでもというのだ。
「出来るだけね」
「嫌いなものはないに越したことはないわね」
「ええ、ただね」
ここで真昼は夜空にこう話した。
「私達の学校世界中から人が集まってるわね」
「北朝鮮以外からね」
「だから、忍者部にムスリムの子いたりするのよ」
「ムスリムだとね」
それならとだ、夜空もすぐに察して言った。
「豚肉食べられないわね」
「少なくとも公にはね」
「だからよね」
「こうした事情もね」
「あるわね」
「今はね」
「忍者も国際色豊かになって」
夜空はそれでと話した。
「そうした事情もね」
「出来たわね」
「そう、そしてね」
そのうえでというのだ。
「好き嫌いはなくても」
「公には食べられないものもあるわね」
「イスラムならね、実は柔軟な宗教だから」
「言われてるのとは違って」
「それで豚肉もアッラーに謝罪すればね」
「食べられるわね」
「他の戒律で禁止されているものもね」
そうだというのだ。
「あの宗教はそうでもね」
「ユダヤ教とかは」
真昼はこの宗教の話をした。
「物凄く厳しいから」
「それでよね」
「もう絶対に駄目だから」
「食べもののタブーは」
「忍者は何でも食べないといけなくても」
それでもというのだ。
「中々ね」
「そうはいかないわね」
「そうした事情もね」
「これからの忍者はあるのね」
「サバイバルの要素もあるから」
それ故にというのだ。
「どうしてもね」
「その辺りは難しいわね」
「外国人の忍者は問題なくても」
「宗教は関係するのね」
「そうなるわね。考えてみたら」
「忍者も難しいわね」
「ええ、ただ部活でやって」
忍者部でというのだ。
「活動や身に着けたものを活かす位なら」
「気にしなくていいわね」
「そうね、けれど基本はね」
「好き嫌いなくが一番で」
「何でも食べるのが、だから真田家と十勇士のお家の人達はね」
「何でも食べるのね」
「宋なのよ、それで水着を買った後も」
その時もというのだ。
「百貨店の屋上でね」
「何でも食べるのね」
「そうしましょう」
笑顔で話した、そしてだった。
三人で水着を買いに行くことにした、そしてそこでも楽しい日々を過ごすのだった。
第四十二話 完
2024・9・15
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