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金木犀の許嫁

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第四十二話 プールその十

「気にしない様にします」
「そうしてね」
「そうします、それで水着を」
「買いに行きましょう」
「三人で」
「そうしましょう、行くお店はね」
 そこはというと。
「神戸の八条百貨店本店にしましょう」
「あちらですね」
「やっぱりね」
 何といってもというのだ。
「あそこは何でもあるから」
「水着もですね」
「そうだからね」
 それでというのだ。
「行きましょう」
「私あの百貨店大好きなんです」 
 白華は笑顔で応えた。
「屋上なんかも」
「そうそう、あそこ屋上もいいわよね」
「そうですよね」
「ゲームが沢山あって」
 そうであってというのだ。
「食べるお店もです」
「多くてね」
「いいですよね」
「私も屋上好きよ」
 八条百貨店のとだ、真昼も答えた。
「じゃあ水着買った後は」
「屋上ですね」
「あそこに行ってね」
 そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「楽しみますね」
「そうしましょう」
「是非ね。あとね」
「あと?」
「本屋さんもね」
 こちらの店もというのだ。
「行きましょう」
「本屋さんもですか」
「そちらにもね」
「本屋さんに行くよりも」
 白華はその店にも行くと言われてこう返した。
「別に今は」
「電子書籍あるあね」
「スマートフォンがあれば」
 それでというのだ。
「何時でも幾らでも」
「読めるわね」
「どんな本でも」
「私も最近よくそちらで読むわ」
「でしたら」
「いえ、紙の本もね」 
 こちらもというのだ。
「それはそれでいいから」
「だからですか」
「文庫本でも何でもね」
「紙の本にもですか」
「独特の持ち味があるから」
「持って読む」
「自分の手で開きながらね」
 そうしつつというのだ。
「読むのがいいから」
「それを味わいたくて」
「それでね」
 それが為にというのだ。
「百貨店の本屋さんにもね」
「行きますか」
「そうしましょう、参考書でもね」
 こちらもというのだ。
「私紙派だしね」
「紙の本もいいんですね」
「確かに電子だと絶版なくて」
「幾らでも読めますね」
「それは便利だけれど」
 それでもというのだ。 
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