金木犀の許嫁
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第四十二話 プールその九
「カエサルさんの髪の毛は」
「気にしていたからかえって言われて」
「それでね」
その結果というのだ。
「今も言われて」
「天国でもですか」
「多分ね」
「かえって言われていますか」
「そうだと思うわ、ただね」
「ただ?」
「カエサルさん背は高かったみたいよ」
そうだったというのだ。
「一八五位あったそうよ」
「それは大きいですね」
白華も話を聞いて頷いた。
「確かに」
「その頃のローマ人って平均身長一六〇位でね」
「昔の人は小さかったですからね」
「そうでしょ」
「はい、栄養の関係で」
「日本人だってね」
真昼は自分達もと話した。
「昔はね」
「小さかったですね」
「幕末の大人の男の人で一五四位でね」
「平均でしたね」
「そうだったからね」
だからだというのだ。
「当時のローマ人もね」
「それ位ですか」
「その中でよ」
「カエサルさんは一八五あって」
「かなり大きくてね」
そうであってというのだ、尚それぞれの時代や地域の人達の体格は残っている服や鎧からわかることだ。
「そのことはね」
「コンプレックスじゃなかったですね」
「基本楽天家で焦らないで」
そうした性格でというのだ。
「自信家で余裕のある人だったけれど」
「髪の毛のことだけは」
「本当に気にしていて」
「それでね」
そうであってというのだ。
「かえってね」
「今も言われていますね」
「実際背のことは言われてないから」
「高かったともですね」
「そんなにね、けれどコンプレックスだった髪の毛は」
こちらのことはというのだ。
「かえって言われてるから」
「自分で気にしないことですね」
「髪の毛薄くても死なないでしょ」
「そうですね」
白華も確かにと頷いた。
「別に」
「そうだしね」
「特にですね」
「気にしなかったらいいのよ」
「身体のことは」
「言われてもね。個性よ」
そうだというのだ。
「それこそ人それぞれだし」
「だからなのね」
「そうよ、だから胸とかのことも」
「気にしないことですね」
「全くね」
「そうですか、じゃあ私身体のことを言われても」
それでもというのだった。
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