尻尾が短くていいのか
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第三章
「品種改良されていてな」
「美味いな」
「沢山採れてな」
「そうだな」
「そういうことだな」
「そうだ、人間の都合でそうしてもな」
「一概に悪いとは言えないか」
「世の中はな」
実際にというのだ。
「そんなものだ」
「そうだよな」
「ああ、それとな」
文太はさらに話した。
「ふわりは今もやろうと思ったらな」
「狩りが出来るんだな」
「トイプードルだからな」
それでというのだ。
「訓練をしたらな」
「ふわりでもか」
「そうだ、品種改良していってな」
「完全にペットになってか」
「狩猟とは無縁そうになってもな」
そうなろうともというのだ。
「訓練したらな」
「元の狩猟犬に戻れるか」
「そうだ、小さくなって尻尾を切ってもな」
「狩猟犬の本能は残っているんだな」
「そのことは覚えておけよ」
「そうしとくな、じゃあふわり若しな」
洋介は父の言葉に頷きつつあらためて言った。
「狩りする時なったら頼むな」
「クゥン?」
ふわりは言われても今一つ分からなかった、それで洋介の前にちょこんと座って首を傾げさせた。目はきらきらとしている。
そんな彼女を見てだ、洋介は笑ってまた言った。
「まあないな、狩りなんてな」
「だから例えだ」
父も言ってきた。
「今都会で暮らしていてないだろ」
「そうだよな」
「完全なペットだから尻尾もな」
「短いと可愛いから切るんだな」
「ああ、ただ尻尾に出したものが付かないからな」
「ふわりにとってもいいんだな」
「そうでもあるんだ」
こう言ってだった。
文太はビールを一口飲んだ、そのうえでふわりを見て笑顔になったのだった。
尻尾が短くていいのか 完
2024・11・23
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