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ハッピークローバー

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第百四十九話 文化祭の中のデートその二

「二人でね」
「それで色々食べるのね」
「柿とか梨とか」
 達川が出した農作物を挙げていった。
「林檎とか苺とか」
「あと葡萄ね」
「あっ、葡萄もあったわね」
 一華は言われてこの果物もと頷いた。
「そうよね」
「色々あるわね」
「そうね、それでお蕎麦あるそうだし」
 一華はこの食べもののことを自分から話した。
「元々好きだし丁度食べたいと思っていたし」
「楽しみよね」
「ええ、どんなお蕎麦かしらね」
「わんこそばみたいにお椀に入った冷たいお蕎麦らしいわ」
「ああ、ああいう感じなの」
「ああしたお蕎麦なら食べやすいしね」
 そうであってというのだ。
「すぐに作られるから」
「それでなのね」
「おうどんもね」
「冷たいものね」
「冷たいおつゆでね」
「そうなのね」
「まだそんなに寒くないから」
 このこともあってというのだ。
「それでね」
「冷たいものでもいいのね」
「そうなの、おつゆもだから」
「それはいいわね、ただね」
「ただ?」
「いや、そうしたお蕎麦ってざるそばとか言わないわね」
「ざるそばは冷たいわね」
「けれどそう呼ばないわね」
 ざるそばとはというのだ。
「そうよね」
「だってざるの上に乗ってないから」
 かな恵はそれでと答えた。
「だからね」
「そう呼ばないのね」
「そうよ」
 こう話すのだった。
「そこはね」
「違うのね」
「そうよ」
「ざるに乗るからざるそばね」
「冷たくてもね」
 かな恵はさらに話した。
「ざるの上にないなら」
「ざるそばでないのね」
「そうなのよ」
「じゃあその場合は冷やしそば?」
 ざるに乗っていないならとだ、一華は尋ねた。
「そうなるの」
「そうよ」 
 一華にその通りだと答えた。
「これがね」
「そうなのね」
「それでね」
「それで?」
「そのお蕎麦がまた美味しいらしいのよ」
「そうなの」
「おうどんもだけれど」 
 こちらだけでなくというのだ。
「コシがあって風味もよくてね」
「美味しいのね」
「だから楽しみにしていてね」
「そうするわね。ただ私お蕎麦噛むけれど」
「私もよ」
「私結構食べる時噛むでしょ」
「おばさんに言われてよね」  
 かな恵は一華がどうして食事の時に噛む数が多い方であるかを知っていた、そしてそれがどうしてかを今言うのだった。 
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