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新オズのかかし

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第八幕その十一

「自動で幾らでもです」
「動けるね」
「そうした船です」
「オズの国の船だね」
「勿論操縦も出来ます」
 それも可能だというのです。
「そうした船です」
「そうだね」
「ですがあの頃は」
「純粋な帆船でね」
「風で動きまして」 
 そうであってというのです。
「それで、です」
「皆で力を合わせないとね」
「動けなくて」
「少しでも油断するとね」
「沈んだりしました」
「嵐にも遭えばね」
「そうでした」
 まさにというのだ。
「本当に」
「そうした船に乗ってだったから」
「絆がです」
「生まれたね」
「はい」
 まさにというのです。
「そうでした」
「それで今そう言うね」
「友情がです」
「君達の最高のお宝だね」
「しかも本当の」
「そういえば」
 ここでジャックが気付きました。
「これまで歴訪していた国は何処も絆があるね」
「そうだね」
 樵も確かにと頷きました。
「四姉妹と小公子は家族でね」
「そうだね」
「小公女もね」
「ラメダスさんやベッキーさんは血はつながっていないけれど」
「ご家族だから」 
 それでというのです。
「同じだね」
「そうだね」
「そしてロビンソンさんとフライデーさんは」
「言うなら友情かな」
「今はね」
「かつては主従でも」
「今はそうだね、そして」
 樵はさらに言いました。
「ジム達はね」
「友情だね」
「そうだね」
「そう、今回の歴訪はね」
 まさにと言うドロシーでした。
「各国の状況とね」
「絆だね」
「それを見る為のものだね」
「そうよ」
 樵とジャックにその通りだと答えます。
「今回はね」
「そうなんだね」
「やっぱりね」
「だからね」
 それでというのです。
「これからもだね」
「見ていくんだね」
「そうしましょう」 
 こう言うのでした。
「いいわね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「一つ思うことは」
「何かな」
「それは一体」
「副大統領さんは悪い人だったけれど」 
 ドロシーガ今言うのはこのことでした。
「けれどね」
「今オズの国にいるね」
「そうだね」
「そのことがね」
 それがというのです。
「オズの国らしいわね」
「悪人でも反省して心を入れ替えるとね」 
 かかしも笑顔で言いました。
「善人になるんだよ」
「そうよね」
「仏教の教えではね」 
 この住協ではというのです。
「悪人は何であるか」
「仏教ではね」
「自分が悪いことを自覚しているからね」
「悪人ね」
「だからその悪いことをあらためて」
「なおしていく」
「反省してね、そして救われたいと思うなら」
 それならというのです。
 
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