おじさんが痩せると
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第一章
おじさんが痩せると
脂ぎって丸々としている、サラリーマンの村田雄姿はそんな外見である。かけている眼鏡にも脂が付いていて髪の毛にもだ。
肥え太った顔にはいつも脂が浮かんでいる、息子で若い頃の彼そっくりの源一はスマートな顔立ちと長身で父に自宅で行った、高校ではサッカー部である。
「父ちゃん若い頃は痩せてたのにな」
「皆歳取ると禿げるかこうなるんだよ」
「それでも極端過ぎるだろ」
「そうよ、幾ら何でもね」
妻の紀子も言ってきた、一五四程の背で大きな垂れ目で黒いショートヘアで明るい顔立ちは年齢を感じさせない。
「あなた変わり過ぎよ」
「太り過ぎだね」
「若い頃から唐揚げとかドーナツ好きで」
「ラーメンやピザやハンバーガーもね」
「そんな食生活で」
それでというのだ。
「しかも学生時代はラグビーしていたのに」
「就職してからしてないよ」
「それでお食事は変わらないから」
「気付いたらこうだよ」
妻にこう返した。
「太ってね」
「脂っぽくなったのね」
「そうだよ」
「身体にも悪いからジム行けよ」
息子は父に真顔で告げた。
「実際脂肪肝になってるだろ」
「コレステロールも糖分も高いよ」
「洒落になってないからな」
健康面から見てというのだ。
「だからな」
「それでか」
「ああ、ジムで毎日身体動かしてサウナに入って」
そうしてというのだ。
「汗を流そうな」
「お食事も変えるわ」
妻も言ってきた。
「油の多いものからあっさりしたものにね」
「そうするんだ」
「量は変えないから我慢してね」
そうするからだというのだ。
「唐揚げはオープンで焼いたお肉、ドーナツは果物、ラーメンはおうどん、ピザはお握り、ハンバーガーはサンドイッチにね」
「仕方ないか」
「ええ、そうしていくから」
こう話してだった。
村田はジムに通い身体を動かしてだった。
サウナに入りカロリーの低い食事を食べていった、すると。
みるみるうちに痩せた、そうして気付けば息子がそのまま歳を取った様な外見になりその脂もであった。
「すっきりしたな」
「そうね」
「もう何処にも脂ないな」
「健康になったわ」
息子も母も言った。
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