八条学園騒動記
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第七百七十五話 露天風呂その十
「自滅よ」
「もうお金ないし」
「助ける人もいそうにないわね」
「だからね」
それでというのだ。
「本当にね」
「これからは」
「自滅するしかね」
それこそというのだ。
「ないわ」
「絶対によね」
「ご主人がね」
離婚したこの人がというのだ。
「最後の救い手だったと思うけれど」
「そのご主人も去った」
「だからまだ二十代だけれど」
「破滅、自滅ね」
「それしかないわ」
「救い様がないわね」
「私もそう思うわ、しかしね」
アンネットは考える顔になって述べた。
「この人にしても他のホスト狂いの人にしても」
「何がいいのかよね」
「全くね」
それこそというのだ。
「理解出来ないわ」
「それはそうね」
彰子も同意であった。
「ギャンブルにしても」
「男の人だとホステスとかキャバクラで」
「何でそうしたことにお金使うか」
「のめり込んで」
「それがね」
そうすることがというのだ。
「本当にね」
「全くわからないわね」
「まして一生遊んで暮らせるだけのお金あって」
「そっちに全部使うなんて」
「普通はないわね」
「ええ、本当に相当馬鹿じゃないとね」
アンネットはまたこう言った。
「しないことよ」
「その通りね」
「ええ、そんな馬鹿なことするより」
ここで三人は充分冷えてまた別の風呂に移った、三人共気に入っている苺風呂に向かってそこに入ったのだった。
その中に入ってだ、アンネットは彰子にあらためて言った。
「こうしてね」
「お風呂楽しむ方がいいわね」
「ずっとね、身体の疲れが取れて」
「肩凝りもね」
彰子は自分が気にしているそちらの話をした。
「そうなるしね」
「汗で身体の毒素出るし」
「身体も髪の毛も洗って奇麗になるわ」
「こうして湯舟に入っているだけでもね」
「垢や匂いも落ちて」
「手頃な値段で楽しめて」
「それでそうしたことがあるから」
それでというのだ。
「いいわよね」
「そうよ、ホスト遊びよりもね」
「遥かにいいわね」
「お酒飲むにしても」
アンネットはこちらの話もした。
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