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おぢばにおかえり

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第八十三話 回廊ひのきしんその四十六

「それでよ」
「白いんねんに変えるんですね」
「そうしてね、新一君は悪い人に沢山出会ってるみたいだけれど」
 少なくとも私よりずっと多いです。
「そうした人見て何を感じるかよ」
「忌み嫌うんじゃなくてですね」
「頭から全否定して裏からこそこそやるんじゃなくて」 
 そうでなくてです。
「そうした人とお付き合いしなくていいから」
「実際しないですしね」
「不愉快になることはないから」
 決してです。
「嫌いな人と付き合うと新一君はね」
「余計に嫌いになります」
「無理に好きになろうとしてよね」
「尚更です」
 新一君も言いました。
「それは」
「嫌いになるのね」
「どうも無理して付き合っても」
「好きになれないどころか」
「好きになろうとしても」
 嫌いな相手をというのです。
「余計にです」
「嫌いになるのね」
「例えば清原とか」
「プロ野球選手の」
「僕あいつ死ぬ程嫌いなんですが」
「好きになろうとした時あったのね」
「例の父のお母さんが好きで」
 父方のお祖母さんがというのです、新一君が兎に角嫌い抜いている。
「一時期この人もそうしようと思って」
「どうせ悪い部分ばかり見えたんでしょ」
「どちらも」
 お祖母さんもそのプロ野球選手もというのです。
「それでなんです」
「余計に嫌いになったのね」
「そうしたことがあったので」
 それでというのです。 
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