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新オズのかかし

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第八幕その六

「そして人として確かなものはあったから」
「だからですか」
「好きな人が多くてね」
「オズの国に来られたんですね」
「ジム達と一緒にね」
「そうなんですね」
「そう、そして」
 それにというのでした。
「君は今この国の副大統領だけれど」
「そうですが」
「冒険の時みたいに叛乱を起こそうって考えているかな」
「まさか、もう悪いことはしませんよ」
 ジョンは笑って答えました。
「全く」
「そうだね」
「悪いことをしたらいけないですよ」
「今はそうした考えだね」
「あの航海の後わしは女房と暮らす様になって」
 それでというのです。
「穏やかで悪いことをせずに暮らせたら」
「それでいいとだね」
「思う様になりまして」
 それでというのです。
「もうです」
「悪いことはしないね」
「心を入れ替えました、そして深い眠りに入ったら」
「オズの国に来ていたんだね」
「あの国に」 
 船の甲板から自分達の国その港町を見て答えました。
「そうでした、起きたらそこにジム達もいて」
「それでなんだ」
「はい、一緒に暮らしはじめて」
「政府もだね」
「作って政治をしようってお話にもなりまして」
 それでというのです。
「今はです」
「こうしてだね」
「ジムが大統領、ベンが補佐官で」
「フリントが国務長官だね」
「もう普通にです」
 そう言っていい位にというのです。
「国の中で決まりました」
「そうなんだね」
「はい、この国がオズに来たのはわし等がいたからだと」
「国民の人達に言われてだね」
「すぐに決まりました」
 そうだったというのです。
「これが」
「成程ね」
「そしてです」 
 そのうえでというのです。
「わしはこの国の副大統領として」
「働いているんだね」
「今はそうしています」
「奥さんともどうかな」
「幸せに暮らしてますよ」
 笑顔での返事でした。
「ちゃんと」
「そのこともいいことだね」
「悪いことなんかしなくても」
 それでもというのです。 
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