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金木犀の許嫁

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第四十一話 デートの後の夕食その五

「絶対に」
「幸雄さんはそうなんですね」
「テレビも問題ですが」
「インターネットもですね」
「嘘、嘘に騙されている人がです」
「多いですね」
「極論すれば左右共に極端になりますと」
 そうなればというのだ。
「一見違う様で」
「同じですか」
「レベルだけでなく」
 発言や行動のそれがというのだ。
「主張の中身もです」
「同じになりますか」
「道を曲がって百八十度進めば」
「右も左も同じですね」
「そうなりますので」 
 だからだというのだ。
「同じです、極端になると」
「右でも左でも同じですね」
「戦前の日本もそうでした」
 その頃の日本もというのだ。
「共産主義者と右翼はです」
「同じだったんですね」
「どちらも激しく敵対していましたが」
 しかしというのだ。
「その実主張はです」
「同じでしたか」
「まさに全体主義でした」
「そうだったんですね」
「実はナチスは右ではないですが」
 彼等はとうのだ。
「社会主義でしたので」
「国家社会主義労働者党ですね」
「実際に社会主義政策を行っていました」
 雇用の確保に賃金の安定、労働条件の改善等だ。また資本家の活動も政府が制限していたこともそれにあたる。
「ですから」
「左になって」
「人種主義を言ってもです」
「右じゃないんですね」
「問題はその政策の主張で」
 左右を分けるのはというのだ。
「ナチスは左でした」
「ソ連と同じですね」
「共産主義と社会主義の違いはあれど」
「左ですね」
「共に極左でした、そして右もです」
「極端になるとですね」
「同じです、極右もです」
「極左と同じですね」
「そのレベルも主張の内容もです」
 そのどちらもというのだ。
「まさにです」
「同じになるんですね」
「はい」
 そうだというのだ。
「彼等自身は違うと主張しても」
「客観的に見ますと」
「同じになります、ですから」
「あの選挙でもですね」
「あの元大統領が保守か」
 幸雄は難しい顔で述べた。
「違うとしかです」
「思われないですか」
「ただひたすらです」
 そう言っていいまでにというのだ。
「自分のことしか考えず」
「それじゃあ」
「はい、エゴイストです」 
 その実はというのだ。 
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