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金木犀の許嫁

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第四十一話 デートの後の夕食その四

「ネットを観てるのよ」
「今だってそうね」
 真昼にこう返した。
「テレビ点けないで」
「それで、でしょ」
「お話してるわ」
 食べながらというのだ。
「そうしてるわ」
「そうよね」
「もうね」
「テレビなくてもね」
「困らないしね」
「そうですね」
 幸雄も言ってきた。
「最近のテレビはです」
「面白くないですね」
「はい、まことにドラマやアニメ以外は」
「そうなっていますね」
「ですから私もです」
 幸雄もというのだ。
「殆どです」
「ご覧になられないですね」
「そうなっています」
 実際にというのだ。
「これが」
「そうなんですね」
「特に報道番組は」
 こちらはというのだ。
「観ません」
「ああ、評判悪いですね」
「すぐに印象操作を行うので」
 だからだというのだ。
「観ません」
「そうされていますか」
「そうです、あとです」
「あと?」
「ユーチューブも気を付けています」
「ネットの方もですか」
「偏っているチャンネルは極めて偏っていますので」
 だからだというのだ。
「ですから」
「気を付けていますか」
「はい」
 そうしているというのだ。
「ある大統領が選挙は仕組まれたと嘘を言って」
「ああ、そういうことありましたね」
 真昼は幸雄の今の話の元を思い出して答えた。
「何年か前に」
「根拠を出さずに言っていましたが」
「根拠を出さないならですね」
「証拠を。それならです」
「嘘ですね」
「実際に嘘ばかり言う大統領でしたが」
 そうであったがというのだ。
「その嘘を見抜けずです」
「仕組まれたってですか」
「同調していたチャンネル、個人も多かったので」 
 だからだというのだ。
「そうしたチャンネル、人はです」
「信じないですか」
「ましてその大統領が倫理も羞恥心もない人で」
 そうした輩でというのだ。
「私利私欲を貪り国家のことも国民のことも考えていない」
「あの人はそうした人ですね」
「ですがそのことも見抜けず」
 そうであってというのだ。
「嘘をそのままです」
「鵜呑みにして」
「騒いでいたチャンネルはです」
「信じないですか」
「はい」
 そうだというのだ。 
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