星河の覇皇
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第八十七部第四章 首相官邸にてその十一
「ここはね」
「紫陽花ですか」
「そちらをね」
「お花見としてですか」
「楽しんでもらうわ、お花見は桜だけではないわね」
「日本は花も多いです」
秘書官は微笑んで答えた。
「まさに」
「そうね、だからね」
「ここはですか」
「そちらを観てもらうわ」
その紫陽花をというのだ。
「そしてね」
「楽しんで頂いて」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「楽しんでもらうわ」
「そうしてもらいますか」
「ええ、そしてお料理は」
こちらの話もした。
「その紫陽花が奇麗な場所はお豆腐が有名だから」
「お豆腐を使ったお料理ですか」
「湯豆腐でね」
豆腐料理のそれでというのだ。
「おもてなしするわ」
「そうされますか」
「そしてね」
それでというのだ。
「楽しんでもらうわ」
「そうしてもらって」
「気分よくね」
「政治のお話もしますね」
「国益を巡って衝突しても」
それでもというのだ。
「やはりね」
「気分よくお話出来れば」
「いいですね」
「だからよ」
「おもてなしもですね」
「するわ、それも全力でね」
それでというのだ。
「してもらうわ」
「そうですか」
「そう、ただね」
「ただ?」
「おもてなしも全力で」
このことも言うのだった。
「それが日本よ」
「お仕事と趣味にはですね」
「一切手を抜かず」
「全力で向かうことですね」
「それが日本よ」
まさにというのだ。
「だからね」
「それで、ですね」
「ええ、私もね」
「お仕事なので」
「手は抜かないわ、国益が衝突しても」
「それでもですね」
「全力でね」
そのうえでというのだ。
「向かうわよ」
「わかりました、それでは」
「お酒も用意するわ、来る人達もそれぞれ調べてね」
「ご存知ですね」
「言った通りよ、相手を知る」
それがというのだ。
「大事なことよ」
「それで、ですね」
「今も話しているわ」
「おもてなしにしても」
「それぞれの人が好きなものをね」
「用意していますね」
「能も紫陽花も」
そしてというのだ。
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